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第7章「思い出していくほどに・・・」

「イーリス。明日の夜のレセプションパーティーの事だが、
お前やヴァンダムは参加可能か?」
「はい。私は秘書として、ヴァンダムはボディーガードなので、
参加出来る予定です。」
「なら・・・」

オレはイーリスに色々とオレの考えを聞かせる。イーリスも黙ってオレの話を聞き、
最後はヴァンダムと警備の事などを含めて、明日すぐに相談すると言った。

「普通の人間相手なら、ここまで慎重になることもないんだがな。
今日母上からも忠告があったくらいだ。
敵に、2冊目や8冊目の眷属がいるかもしれないことも、考慮すべきだな。」
「私もそう思います。警備が強化されることは良い事かと。」
「うん。では、それで頼む。後の判断はイーリスお前に託す。頼んだぞ。」
「はい!ノウェム兄さん、任せて下さい!」

イーリスは明るい声で、オレに返事をした。今では、母上の秘書としても自信がついたのか、
イーリスは良い顔をするようになった。
兄としても、オレはイーリスの成長を素直に嬉しく思う。

「明日の母上の件は、イーリス任せて、オレの方は明日は
ペネロペとファウヌスに会ってくる予定だ。」
「ペネロペ姉さんとファウヌスにですか?」
「ああ、あの2冊達とも、今後の事を話し合わないといけないからな。
電話でのやり取りでもいいかもしれないが、敵があの2冊目だからな。
直接会って、確認した方が良いだろうと思ってる。」
「そうですね。他の本喰人ならまだしも、2冊目ですからね。」
「イーリスの方で、ペネロペとファウヌスに用事はないか?
あれば、明日代わりにオレが伝えるが?」
「うーん、そうですねぇ・・・あ、ペネロペ姉さんとファウヌスからも、
あの会社の内情を調べてと伝えて欲しいです。
私だけの調べでは不安だから・・・」
「わかった。伝えておこう。裏の悪い噂とやらも、しっかり確認した方がいいしな。
それに、イーリスは今後は母上の警護を重点に行動して貰わないとならないだろうからな。」
「はい。なので、調べものは、2冊達にお願いしたいです。」
「うん、そのように頼んでおく。」

オレはイーリスと話し込み、終わった後でイーリスにある物を渡した。

「え?ノウェム兄さん?これは何ですか?」
「まぁ、いいから。受け取っておけ。今日、留守番して貰ったお礼だ。」
「え?あ、はい。」

イーリスは、ちょっと間抜けな顔になって、オレと手渡した物を見る。
そして、ちょっとオドオドしながら、オレに確認する。

「ここで開けて見てもいいですか?」
「構わないぞ。」
「じゃ、今見ますね。」

イーリスはドキドキしてそうな表情で、オレから貰った物を確認する。
イーリスが紙袋から取り出したのは、一部に根強いファンがいる
写真家の写真集だった。
それがわかったイーリスは、一気に破顔し、大喜びした。

「わぁ!これは私が大好きな写真家の写真集じゃないですか!
しかも、まだ売り出されてないやつじゃ・・・」
「そうだ。オレの知り合いで、その写真家と繋がりがある奴が居てな。
妹が大ファンだから、そのツテで金銭面で少し支援したんだ。
そしたら、お礼にそれをくれてな。丁度いいから、今日お前にやる。」
「ああーノウェム兄さん!最高!大好き♪」

オレは感極まったイーリスについ抱きつかれてしまった。
いつもなら、はしたないと怒るとこだが。
今日はそれも許そう。イーリスには、今後苦労を掛けるからな。
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