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第7章「思い出していくほどに・・・」

「ヴァンダム。お前も母上から聞いたと思うが、注意してくれよ。」
「あ?ああ、2冊目の野郎のことだろ?わかってるって。
誰が、あんな本共に母上を・・・」

オレがヴァンダムにも、キュアート様のことを頼むと、ヴァンダムは苦い顔をしながらも、
今一度、気を引き締めたようだった。
ヴァンダムもキュアート様を大事に思う気持ちは、オレ以上にある。
きっと、何があっても、自分の命に代えて、キュアート様を守るだろう。
その安心感があるからこそ、オレも変に縛られることなく、活動出来ているので有難い。
ヴァンダム達も、しっかりキュアート様を守って側に居てくれるなら、
オレは、もっと眷属達と連絡を取り合い、時には敵に攻撃も仕掛けられるだろう。
状況によっては、守るだけじゃ駄目な時もあると教えられたからな・・・
12冊目に。

「ねぇーねぇーノムにーにーは、今日は一緒に居てくれないの?」
「たまには、僕達と遊んでよぉー」
「そうだよーそうだよー」
「おい、こら・・・」

オレは、てっきりアリアドネにじゃれついてるとばかり思っていた、
3つ子達に取り囲まれてしまった。
3つ子達は、楽しそうにオレの身体を引っ張って遊ぶ。
その姿は無邪気で可愛い弟達なのだが、今日はタイミング悪く、
遊んでやっている暇はなかった。

「残念だが、しばらくはお前達とは遊んでやれそうにない。悪いな。」
「ちぇーノムにーにーと遊べないなんて、つまんない。」
「そう言うな、トト。」

オレは、三つ子の長男で、キュアート様の8冊目の眷属で4男に当たる、
トトの頭を優しく撫でてやった。すると。

「トトばっかりずるいーーー!僕も!!!」

次に三つ子の次男のアヌビスが、オレの反対の腕を引っ張りながら、
トトに悔しがり、同じように自分の頭も撫でろと甘えてくる。

「トトもアヌビスもずるいよ・・・」

俺の両手を奪われてしまった、三つ子の3男のホルスは、寂しそうに俺の足にしがみつき、
恨めしそうに兄弟達を睨む。
オレはやれやれと思いながらも、3つ子達が満足するまでは、
頭を撫でてやりながら、
キュアート様のことを、しっかり守るように頼んだ。

「オレがいない間は、ちゃんと母上を頼むぞ?ヴァンダムと、アリアドネと一緒にな?」
「任せてよ!こう見えても、僕達も、もっと成長したんだよ!」
「そうそう!学校の成績だって良いし!」
「この前のスポーツ大会でも、賞を取ったんだから!」
「ははは。そうか、そうか。それは凄いな。」

オレは、可愛い末っ子の三つ子達の報告を聞きながら、次にどの眷属達と
連絡を取ろうか考えた。
の前に、イーリスのとこに戻り、相談でもするか。
今後はイーリスにも、かなり活躍して貰わないといけないからな。
早い段階で、もっと念入りに話し合いをしておくのもいい。
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