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第7章「思い出していくほどに・・・」

「2冊目は15冊目、16冊目と言う手駒を無くしたから、新しい手駒を探しているようだ。
それから、2冊目は4冊目に、8冊目は7冊目と、コンタクトを取ってる可能性がある。」
「うぇ・・・マジかよ。2の奴は、4冊目と7冊目を仲間に勧誘する気か?」
「それは、凄く困るね・・・」

十の話に、俺とトワは苦い顔になる。
そりゃ、2の奴だって、一時的に仲間は増やしたいだろうな。
俺達と言う邪魔な存在を消すまでの間だけは。
それと、最近、俺の意識の中で、俺と2冊目は明確に敵対したから、尚の事だろう。
いつ2冊目に牙を剥かれても、おかしくない状況ではある。
俺が3冊目の元に行く道中でも、何か嗾けてくる可能性は大いにあるからな。

「どうなるかは、まだ自分の方でも把握出来ないけど、警戒だけはしておいて欲しい。
4冊目と7冊目もね。」
「わかった。教えてくれて助かる。俺の方でも何かわかれば、すぐに十に教えるよ。」
「うん、ぜひそうしてくれ。」

俺は十と頷き合い、了解し合う。

「十二にとって、一番の弱点はトワちゃんだと思う。だから、トワちゃん。
自分の身もしっかり守りながら、十二の事を、サポートするんだよ?」
「は、はい!私も気を付けながら、頑張ります!!」

十は、真面目な顔でトワにそう言うと、トワも緊張しながらも、しっかりと十に答えた。
十の言う通りだ。あの2の奴のことだから、もし俺に何か最悪な事をしようとするのなら、
確実にトワに手を出すだろう。
俺は、それを絶対に阻止しなくてはならない。2冊目との因縁が解決するまでは。

「十も、気を付けろよ。大事な人いるんだから。」
「そうだね。人の事ばかりを言ってる場合でもないね。自分も。」

十は俺にサキの事を言われているんだとすぐに気づき、少し照れた。
けど、十はサキをどうやって守るつもりなんだろうか?
2の奴からしたら、十もかなり目障りな存在のはずだよな・・・
1冊目や3冊目と連絡役であり、2の奴の行動なんかも監視する立場の本喰人だからな。
俺が知らないだけで、1冊目や3冊目から、かなり手厚いサポートでも受けてる感じか?
でなければ、十だけでは限界があるよな・・・行動に。

「十さんは、今後も日本で活動されるんですか?」

トワは、何を思ったのか十にそんな質問をした。
十は、一瞬だけ驚いたような顔をしたが、すぐにトワに笑顔で答える。

「そうだね。自分は海外に行く予定はしばらくないかな。
日本でしたいことが、まだあるし、24冊目達にも今度挨拶しにいくつもりなんだ。」
「わあ!そうだったんですね♪きっと、ゴートン達も十さんに会えたら、
喜ぶと思います♪」
「あはは、有難う。トワちゃんがそう言ってくれるなら、安心出来そうだ。」

トワの言葉に、十は嬉しそうにした。トワは、あっちの拠点での暮らしで、
二四達とかなり仲良くなったからな。
そのトワが言うのだから、間違いないだろう。
十の存在は、二四達にとっても、助かる存在になるはずだ。
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