第7章「思い出していくほどに・・・」

「性格は、とても物静かな女性かな?キュアートの人柄もあるのかもしれないけど、
15冊目や16冊目を心配しながらも、今はキュアートの指示には、
素直に従ってくれてるようだ。
キュアートの眷属達に囲まれて、賑やかに過ごしてるみたいだよ。」
「へぇーそうなのか。でも、キュアートに保護されると、そんな感じになるよな。
俺も過去に経験があるから、その状況がよくわかるわ。」
「そんな雰囲気が、相手の警戒心を解くのに良い事もあるからね。
それに、キュアートの眷属達は、本物の人間の子供の様に無邪気だから、
悪戯っ子もいるけど、悪い感じにはならないと思うよ。
現に、その彼女もそれで安心を得てる感じもあるし。」
「だな。とにかくは、キュアートが保護してくれているのなら、
俺も何にも心配してない。
15冊目、16冊目も回復次第にキュアートのとこに行くんだろ?」
「うん。2冊達もその予定で、3冊目の元にいるね。」

俺も十とトワの会話に参加し、15冊目達側の問題が、
いい方向に向かっている事を再確認した。
これで15冊目達と今後は良い関係になれば、この問題は解決しそうだな。
俺の今後の態度も関わってくるだろうから、俺も3冊目の元に行った時には、
15冊目達に慎重に関わらないとな。

「私も、今回で、初めての海外に行けるのかぁ・・・緊張しちゃうなぁ・・・」

トワは、十との会話が終わると、ボソっと、そう呟いた。
そうか。トワにしたら、生まれて初めての海外か・・・
緊張することも多いかもしれないが、そんな経験もそろそろするべき頃だな。
けど、俺達、本喰人は語学を習得するのに苦労するとか、そういうのはない。
語学力を身につけたいなら、それ系の本を数冊食べればいいし、
更に心配なら、各国の事が詳しく書かれた本も食べれば、
ほとんどマナーとかも大丈夫だろう。
まぁ、トワの事だから、この会話が終わったら、すぐにそれ系の本を調べて、
喰べるだろうけどな。
初海外に行けるのが嬉しくて。
今日の夕食は、俺もトワと一緒に、それ系の本を喰べるか。
俺も日本に来て、大分経つから、ちょっと最近の海外事情には
不安がある。
それに、トワにあれこれ解説されるのも、情けないし、恥ずかしいもんな。
俺がトワを引率してやらなきゃいけないんだから、そこら辺も、
しっかりしておかなければ。

「十二。くれぐれも気を付けて欲しいんだが・・・」
「ん?」
「2冊目側の動きが、ちょっと良くないかもしれない。」
「それは、2冊目側が俺達の誰かを、近々襲うかもしれないってことか?」

十の警告に、俺やトワが瞬時に緊張する。
呑気に海外旅行だなんて、浮かれてるわけにはいかないよな。
俺はそんな気持ちでいたつもりはないが、トワには再度、
しっかりと今の状況を確認させておかなければ。
トワには、無事に3冊目にも逢わせておきたいんだよな。
俺にも眷属が出来たって、成長したとこを、3冊目にも見せたい
気持ちがあるからな。
眷属を持つことは、本喰人にとっては、成長の証の1つでもある。
俺は、3冊目には育てて貰った恩もあるから、今の自分の成長を
確認しても欲しかった。
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