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第7章「思い出していくほどに・・・」

トワが下の店の方で仕事している中、俺は次の仕入先になりそうな
場所をネットで探していた。
すると、俺が居るリビングに内線の電話が掛かってきたので、俺は電話に出た。
珍しいな。トワが内線を掛けてくるなんて。
最近は、仕事に慣れたいたから、俺に内線で何か聞いてくることはめっきり無くなっていたのに。

「あ、あのね、十二。」
「ん?どうしたんだ、トワ?何かあったのか?」
「それが・・・十二に会いたいって人が来てて・・・」
「俺に?どんな奴だ?」
「それがね・・・自分は十だ。と言ってくれって。そう言えばわかるって・・・」
「へ?!十って、まさか10冊目か?!」

俺は今さっきまでトワと10冊目の話をしていたので、驚いてしまった。
丁度、十には俺も用事が出来そうだったから、向こうから、
会いに来てくれたのなら、これほど有難いことはないが・・・

「あまりにもタイミングが良すぎて、ちょっと不安になるな。」

俺は独り言を呟きながらも、急いで下の店の方に下りた。
すると、トワが内線してきた通りに、十はトワと会話していた。
トワの方も、俺とついさっきまで十の話をしていたので、驚きつつも、
緊張しながら、十と会話をしていた。

「そうか。君が、トワちゃんか。十二が、大事にしてるのが良くわかる。」
「え?そ、そうですか?」

十は、何を思ったのかトワにそんな話を振っている。
トワは十から、そんな話を切り出されて、照れてしまっていた。
おいおい、いきなりの再会なのにトワにそんな話を振らないでくれ。
俺が恥ずかしいではないか。

「十。久しぶりだな。」
「あ!十二、来た!」
「久しぶりだな。十二。」

俺がトワ達の側に行くと、トワと十は一斉に俺を見る。

「随分といきなりだな。こっちの方に用事でもあったのか?」
「東京に用事もあったのはあったが、一番の目的は十二に話したいことがあったからさ。」
「そうなのか?」
「突然で悪いが、時間を貰えないだろうか?」
「全然、構わない。俺も十には相談したいことがあったから、
会いに来て貰って、逆にすげー助かる。」
「なら良かった。」

俺と十は、互いに笑って、短いをして2階へ移動した。
トワにはきりの良いところで店を閉めて、上がってこいとだけ伝える。
トワにも、ちゃんと十を紹介してやらなきゃだからな。

「良い眷属を持っているな、十二。」
「あ?トワのことか?」
「うん。自分から見てトワちゃんは、本質が良さそうだ。
ただ、共喰いする奴らから見たら、美味しそうに見えるだろうから、
しっかり守ってやった方がいいね。」

十は、俺にそんな警告をして来た。久しぶりの再会だと言うのに、
物騒な話題を出すなぁと俺は思ったが、十は無駄口を言うような
本喰人ではない。
きっと、これからする話し合いに関りがあるのかもしれないな。

「とりあえず、好きな場所に座ってくれ。」

俺を十をリビングに案内すると、早速、十との会話を開始した。

「まずは、最初に十の話から聞こう。」
「わかった。では、まず自分から話す。」

十は穏やかな顔をしてはいたが、何か緊張したような雰囲気を醸し出してから、俺と会話を始めた。
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