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第1章「下巻の奴等」

俺と50冊目は、50冊目の能力のおかげで、思いかけずに早く、
24冊目の居るであろう、18の拠点に着いた。
50冊目の1つの能力の本は、きっと友情関係の話を書いた本なのだろう。
親友の為なら、一気に、その親友のいる、その場に移動出来るような、
そんな能力と言った感じか。

「12冊目・・・ニシ・・・大丈夫だよね?」
「俺にもわからん。無事なら、それでいいが。とにかく、こっそり潜入して確認しよう。」
「うん!そうだね!」

俺と50冊目は、18の拠点に忍び込んだ。
それぞれに、潜入マニュアル本の能力を使って。
18は、目立つ所で、24冊目と会話をしていた。
何を話しているのかと、聞き耳を立てようとした時に、18は、
いきなり怒鳴り声をあげて、24冊目を蹴とばした。

「てめぇよー?雑魚本の癖に、俺様を舐めてんのか?あ?」
「何の事ですか?」
「てめぇの家に、50の雑魚も、駄本の12も居ないのは知ってんだよ?
それで、俺様を誤魔化せると思ってんのか?中巻クラスを馬鹿にすんなよ!おら!」
「ぐぅ!!」

倒れ込んでいる、24冊目を、18は容赦なく蹴り続ける。
24冊目は大人しく、18に黙ったまま蹴られ続ける。

「あ、あいつ!よくも!ニシを!」
「馬鹿!落ち着け!今飛び出しても、いいことないぞ!」
「で、でも・・・」
「24冊目に何か考えがあるんじゃないか?じゃなきゃ、あいつに蹴られ続けるわけがない。」

俺は、そんな気がして、50冊目を何とか宥めた。
50冊目も悔しそうではあるが、一応は俺の言う事を聞いた。

「クックック・・・」
「あ?何だ、てめぇ?蹴られすぎて、イカレたのか?」

24冊目は、ある程度蹴り続け、疲れて蹴るのを止めた18に、
突然笑い出した。

「雑魚とか、駄本とか言う割には、自分では何も出来ない。
中巻クラス?笑えますね。そんな貴方は、2冊目から、
あの「禁断の本」を貰ったのに、扱えないままじゃないですか?」
「何だと?」

18の声が、低くなる。相当、今の言葉でキレたに違いない。
24冊目は、わざと18を挑発している。
18は、24冊目の胸ぐらを掴むと、掲げるように持ち上げる。
24冊目は苦しそうにしつつも、18を睨んでいた。

「下巻なんて雑魚に癖に、随分と立派な口を聞くじゃねぇか。
お前、今ここで死にたいらしいな?おい?」

18はそう言いながら、24冊目の掴んでいる手を揺らして、脅す。
24冊目は蹴られ続けた所為で、力が入らないのか、ユラユラと力なく揺れる。
俺は、この光景に、過去の36冊目の事を思い出し、胸が苦しくなりだした。
だが、今はまだ耐えるべきなんだと、何故か思った。
50冊目も相当に悔しいのか涙を流して耐えている。

「私は・・・本当の事を言ってるだけですよ。
だったら・・・さっさと、例の「禁断の本」を喰べて、12冊目を、
堂々と殺しに行ったらどうですか?」

そう、24冊目が言った後で、24冊目は俺達の方に、
18にはバレないように視線を送った。
どうやら、24冊目は俺達が来ていることに気づいている。
50冊目も、それがわかったらしく、一気に気を引き締めた。
これは、24冊目の何かの作戦だったのだ。
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