第7章「思い出していくほどに・・・」

俺とトワが、俺達の拠点に帰ってきてから、すぐに1週間が過ぎた。
特に何かがあることもなく、俺は平和に仕事を頑張ってこなして、
3冊目に会いに行く為の資金を集めていた。
トワも、俺の仕事を手伝いながら、四四やセアとも連絡を取り合い、
二四達や師匠達の無事を教えてくれたりする。
今のところは、皆無事に過ごしているようだ。
師匠達は、もうヨーロッパに着いて、各地を巡っているらしい。
セアが師匠と旅行出来るのが嬉しいのか、ハイテンションで、
トワや四四に画像付きのメールを沢山送って報告しているみたいだな。
そのおかげで、俺はトワから報告を受けるので、いちいち聞くことが無くて助かる。
ただ、トワは海外旅行をしているセアが羨ましいようで、俺に、
自分も行きたいなぁーみたいに言っては来るが。

「トワ、資金が集まったら、一緒に3冊目の所に行くから、それまで海外旅行は我慢しろ。」

セアを羨ましがるトワに、俺は毎度こんな返事をしていた。
トワは、そんな俺に不満そうにはするが、大人しく引き下がる。
連れて行かないとは言ってないのだから、それ以上はトワも、
俺に何も言えないのだろう。
きっと、俺の機嫌を必要以上に損ねたら、同行することを、
拒否されるかもしれないと考えているみたいだな。

「資金も順調に集まってるし、そろそろ師匠の都合のいい時間に、
相談して、十と連絡を取り合わないとな。」
「十って・・・10冊目の事?」
「ああ。そうだぞ。」
「10冊目には、トワは会えなかったけど、いつか会えるかな?」

トワは興味津々な顔で、俺に10冊の事を聞いてくる。
結局、前回のとこは10冊目は俺と四四しか会えなかったもんな。
15冊目と16冊目の件が無ければ、もう少し早くトワ達にも
会えたかもしれないが。

「いつかは、必ず会えるさ。ただ、10冊目は10冊目で、忙しい本だからな。
10冊目の方で、落ち着いたと判断すれば、その時は会ってくれるさ。」
「10冊目は、そんなに忙しい本なんだ・・・ふーん。」

トワは正確には10冊目が何で忙しいのは理解出来ていないだろうが、
俺の言葉に素直に感心していた。
10冊目が忙しいのが、他の本喰人の監視とかしているからだ、
なんて言ったところで、今のトワは不審に思うだけだろうから、
無理に話す必要はないな。
その辺の話は、追い追いゆっくりしてやればいいか。
あ、10冊目で思い出したが、15冊目と16冊目は、あれからどうしたんだろうか。
会話出来るくらいには復活したのか?
俺が、少し考え込むと、トワは不思議そうな顔をして俺を見る。
そうしているうちに下の店の方で呼び鈴が鳴ったので、
トワは俺との会話を切り上げて、下の店の方に行った。
もう、最近はすっかり店の方はトワに預けっぱなしだ。
トワに群がっていた男達も落ち着いてきた感じだな。
俺から店を預かっていると言う責任感も、トワに芽生えて、
トワは店と共に成長している。
時々、恋愛本祭りとか言って、変なイベントはしてはいるが、
損はしてないので、俺は許してやったいた。
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