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第7章「思い出していくほどに・・・」

「四四、有難うな!助かったよ。」
「いえ、お役に立てて良かったです。十二は強くなってしまったので、
もしかしたら私の能力を使っても、駄目かもしれないと、不安に思っていたので。」
「そうだったのか?全然、そんな風には見えなかったが。」

俺は、二四達の拠点に帰ってきて、すぐに四四にお礼を言った。
四四の能力は、俺的には何も不都合なことは無かったが、四四の方は不安があったのか。意外だ。

「サキさんは、しっかりしてそうな女性だね。」
「うん。あの人は、やり手そうだ。」
「かなりのやり手だぞ?それから、勘も鋭い。だから、ゴートンも二四も、
油断して本喰人だって、バレないように、注意しろよ?
サキは、さっきもそうだけど、一緒に食事したがったりするからな。」

俺は二四達にサキを頼るのはいいが、正体だけはバレないように、
最善の注意を払うよう、きつく言った。
サキの勘の良さは、一緒に仕事する時は心強いのだが、
こちらの事情を探る際に使われると、非常に厄介なんだよな。
だから、俺はサキとの食事などは、極力避けていた。
サキからは、いつも付き合いが悪いと文句言われていたが、
正体がバレない為には仕方がなかったんだよな。
にしても、十はよくサキと人間として付き合っていられるな・・・
俺じゃ無理だわ。サキとでは特に。

「さてと、じゃあ俺とトワは、そろそろ東京に帰るか。
トワは準備出来たか?」
「うん!私は大丈夫だよ♪」

俺とトワは、東京に持って帰りたい物だけをカバンに入れ、東京に帰る支度を完全に済ませて、
リビングに寄り、師匠と二四達と別れの挨拶をした。

「師匠。申し訳ありませんが、旅立つ前に、二四達の拠点の見直しをお願いします。」
「ああ、十二。任せておけ。この拠点は、拙者も今後も利用させて貰うだろうからな。
悪い様にはせんよ。」
「有難うございます。二四、ゴートン、四四。師匠がいる間に、聞きたい事は聞いておけよ?」
「わかりました、十二先輩。」

俺の言葉に、二四が答えた。ゴートンと四四は頷いていた。

「よし!トワ!行くぞ!」
「はーい♪じゃあー四四ちゃんまたね!ゴートンは二四に迷惑かけるんじゃないわよ!」
「うふふ。トワちゃん、またね!」
「もうートワちゃんは最後まで酷いなぁー」
「あはは、トワちゃん、有難う。トワちゃんも、十二先輩と無事でね!」
「うん♪」

俺はトワ達の可愛いやり取りを見守った後で、トワと車に乗り込み、東京に向けて出発した。
トワ的には、また新幹線が良かったみたいだが、俺は車で帰りながら、
途中で地方にある古本屋に寄りたかったので車にしたのだ。
それをトワに説明しながら、俺達は自分の拠点に帰った。
またトワとの2冊きりの生活に戻るのか。
前までは、当たり前だから何も思わなかったのに、今は少し寂しい気もするな。
けど感傷に浸ってる場合でもない。
俺は、自分の過去を正確に知る為に、3冊目に会う準備をしなきゃいけない。
それから、いつ牙を向いてくるかわからない、2の奴の対策もだ。
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