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第7章「思い出していくほどに・・・」

「俺達の今後の方針は、大体決まったな。」
「うむ。それに、今後も連絡は、すぐに取り合えるだろう。
この携帯なるものが、互いにあればな。」
「うふ♪そうね♪私が、六ちゃんに教えてあげたもんね♪
でも、六ちゃん本人が駄目だったら、私でも大丈夫だからね♪」
「セ、セア殿!!何やら、誤解が生まれそうな、言い方はやめなさい!」
「ちぇ、はーい。」

師匠とセアのいつもの夫婦?漫才に、俺達は笑う。
そうか、このやり取りとも、しばらくはお別れになるんだよな。
最初は、内心セアにツッコミを入れまくってたけど、今後は
しばらく見れないとなると、寂しく思うんだから、不思議だ。
まぁ、一番寂しく思うのは、俺よりトワだろうと思うけど。

「あ、そうだ。二四とゴートンに、サキを紹介してなかったな。」

俺は、サキの事を思い出し、二四とゴートンに言った。
しかし、俺は思い出して、困ったことになった。
俺の外見は、見た目が変わったのだ。たった1日で、数歳も。
俺達、本喰人同士なら、何も不思議ではないが、普通の人間なら有り得ないことだ。
しかも、勘の良い人間のサキが、俺を見たら、人間ではないとさえ、
疑うかもしれない。
俺と認識して貰うのは、普通に無理だろうな。
と、俺が考え込んでいると、二四やゴートンも察してくれたようだ。

「でも、今の十二先輩が、そのサキさんって人に会うのは無理だよね?
外見が、変わってしまっているから・・・」
「ああ、ゴートンの言う通りだ。せっかく、サキにお前達を
紹介してやりたかったんだけどな・・・」

俺が残念そうにしていると、四四が俺達の会話に参加する。

「十二、もしかしたら、私の能力で、お役に立てるかもしれません。」
「え?本当か?四四?」
「はい。私の能力で一時的にですが、十二を前の姿に戻せるかもです?」
「おお!それは凄い!そうしてくれるなら、すげー有難いんだが、頼めるか?」
「はい!それで、そのサキさんと言う方には、いつお会いになりますか?」

俺は四四に感謝した気持ちでいる中で、四四はサキにいつ会うかを聞いてくれた。
どんな能力かは、わからないが、四四は本当に有能だな。
四四が敵にならずに済んで、俺は再度有難く思う。

「ここ数日のうちに、紹介したいんだが、二四とゴートンの都合はどうだ?」
「私は、明日でもいつでも構いませんが、ゴートンはどうだ?」
「僕も、明日でもいつでも構わないよ。十二先輩!」
「そうか、なら、今日、サキに電話して確認してみる。
サキは、いつも商売で店を開いてるから、お前達を俺の紹介で、
ちょっと会うくらいなら、すぐに会えるとは思うんだ。
四四の方は、どうだ?それで大丈夫そうか?」
「私の方は大丈夫です!」

俺達は、その場で大雑把に取り決めをし、後は俺がサキに確認し、
明日に会えそうなら、明日にサキに紹介すると決めた。
そこに、トワもここぞとばかりに参加してくる。

「トワも一緒に行くからね!!!」
「あーはいはい。わかったから、落ち着け、トワ。」

俺は、鼻息が荒くなってるトワを宥めながら、一緒に来ることを許可した。
そんなに、トワはサキに興味があるのか?
もしかして、トワはまだ俺とサキの関係を疑っているのか?
俺は、何とも言えない気持ちになり、複雑な気持ちになった。
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