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第7章「思い出していくほどに・・・」

俺の精神の中で、2冊目と対面した次の日。
俺達は全員が集まり、大々的な話し合いを行うことにした。
まず、最初に四四から聞いた、横浜に俺達を生み出した人間の一族の
生き残りが、100年前近くにいたかもしれないと言う話をする。
この話には、師匠も驚いた顔で四四の話を聞き、その後で、自分の
意見を言った。

「うむ。拙者も、自分がちゃんと確認したわけではないから、
つい、一族は滅んだと認識してしまっていたが、四四の言う通り、
我らを生み出した一族が、何かの手段で生き残ったとしても、
不思議な話ではない。
ただ、過去の様に、本喰人となる、本を生み出すまでの力が
ないのは、間違いないとは思うがな。」
「師匠。この件は今後はどうしたらいいと思いますか?
俺達の方でも、生みの親の一族の生き残りを探すべきですかね?」

俺は師匠に意見を聞いてみた。その一族の生き残りが、2冊目側に、
悪用されないようにするには、俺達も居場所は特定した方が良さそうだよな。
ただ、四四の情報だけは、かなり不足だから、本格的に調べるとなると、
それなりに骨が折れそうではある。

「そうであるな・・・各自、探れそうなら、その時に探せばいいのではないか?
拙者も、セア殿と海外を回った際に、時間があれば、探そうと考えている。
横浜以外にも、一族の生き残りは、まだいそうだからな。」
「私も、六の師匠の意見に賛成です。私は、二四達と本集めが、
落ち着いたら、また横浜に行ってみようかと思います。」
「なら、私も四四を手伝う為に、一緒に横浜に行きます。」
「え?!あ、なら!僕も二四と四四についていきます!」

師匠が意見を言った後で、四四も自分の意見を言い、四四側には、
二四達も手伝う形に、まとまったようだ。
これは、しばらくは、四四は二四達と行動するし、下巻クラス同士で、
身を固めていれば、安全性が高まるから、丁度いいだろう。

「では、俺も皆に習って、探れそうな時に探りますね。」
「うむ。そうでいいと思うぞ。」
「では・・・次は、俺の話をしてもいいでしょうか?」

俺は、とうとうこの日が来たと、少し緊張した。
過去の俺の話を、今日こそしなければいけない。ついでに、昨日あった事も話すべきだな。
俺の話は、受け入れて貰えるだろうか?
特に二四達に・・・トワに・・・
俺は、軽蔑されたりするのも、覚悟で俺の過去を話せるだけ、
皆の前で隠さずに話をした。
皆は、ただただ静かに、黙って、俺の話が終わるまで、聞いてくれた。
二四達や、トワは、時々、驚いたような表情をしたりはしたが、
すぐにまた真剣な顔に戻り、俺の話をしっかりと聞いていたので、
その姿に、俺は、心の中で少し可笑しくなった。
さて、全部を話し終わった後に、どうなるかなぁ。
トワは・・・やはり、俺の元には居たくないと言い出すだろうか・・・?
なら、その時は、俺はちゃんと認めて、他の本喰人に、トワを
託さないといけないな。
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