第7章「思い出していくほどに・・・」
「12冊目が、再度、私の仲間になってくれたら、いくらだって話してあげるさ。
昔のように、楽しく、そして丁寧に親切にな?」
「やっぱり、そう言うと思ったぜ。あんたはよ。」
俺は、自分の予感が当たって、自分自身にさえ、うんざりしそうになった。
初版本世代に近くなったからこそ、俺は2冊目の考えが、
ある程度わかってしまうのが、今の俺には、胸糞悪かった。
正直言って、2冊目の考えなど、わかりたくもない。
「今なら、私はいくらだってお前を許そう。あんな女の戯言に、
乗せられてしまっただけなのだから。
12冊目、いや、ツヴェルフ。今一度、私と共に、0冊目を呼び出そう。」
2冊目は、さっきまでの浮かれたような顔でなく、真剣な眼差しで、
俺の方に向かい、手を伸ばす。
この2冊目を良く知らない奴なら、2冊目の持ってるカリスマ性とやらに、
見事に引っかかったかもしれないな。
俺だって、36冊目の件がなく、記憶が曖昧だったら、2冊目の軍門に下りそうになっただろう。
最悪な事に、2冊目には、恐ろしく感じる程、時に耐えがたい魅力を発揮する本でもあった。
8冊目辺りが、2冊目に狂信的に従うのも、この魅力に魅入られてるせいだろうな。
2冊目の性格が解ってない者なら、すぐに口車に乗せられる。
「初版本世代の俺のままなら、泣いて、喜んだだろうな。
あんたがここまで、俺を買っていてくれたと知ってな。」
「私は、今だって、お前を買ってはいるぞ?」
「悪いが、それは有難迷惑ってやつだ。俺は、あんたの仲間に戻る気はない。
これから先、一生な。」
「残念だ。私が、こんなにも譲歩しても、駄目とはな・・・」
2冊目は、冷たい顔になり、俺に差し出した手を下げた。
俺が、また仲間になってくれると、何やら信じていたみたいだが、
それは、とんだ見込み違いだ。
俺は、もう2冊目が知る、過去の俺ではないのだから。
と、次の瞬間に、激しい殺意が俺に向けられた。
俺の全身の血が、まるで凍りついたように、恐怖を感じる。
「今日は、話すだけのつもりで、お前の精神に入り込んだ。
だから、お前が、私の仲間に戻らずとも、今日は、お前に手を出すのはやめよう。
だが、次に会う時は、無事で済むと思うな。12冊目。」
2冊目は、表情こそは、無表情に近いのに、俺に向けてくる、殺意には、激しいものがあった。
その殺意と、2冊目の表情は矛盾していると言っていい。
これほどの殺意を向けてくるのなら、相手だって、それなりの
怒りや憎しみの表情があってもいいはずなのに、2冊目にない。
俺は、本格的に厄介な本喰人、2冊目を敵に回したのだ。
「肝に銘じておくよ。けど、俺はあんたに、やられっぱなしには、ならないさ。」
「フッ。なら、私に抗えばいい。私と一度敵対すれば、逆に目を醒ますかもしれないからな。
あの女の戯言こそ、意味がないとな。」
2冊目は、俺にそう言って、姿を消した。俺は、一気に、恐怖と緊張感から解放され、
目を開けると、そこは俺の部屋で、俺以外は誰もいなかった。
2冊目が言うように、あいつは、意識だけを俺に送ってきたようだ。
この会話がしたかったから、2冊目は、俺が15冊目と16冊目と、
戦う事を許し、俺の覚醒を許したのか?
俺は、そんな気がしてならなかった。俺が、初版本世代に近くなれば、
自分の仲間に戻ってくると確信して、俺に話かけてる節があったもんな。
2冊目は、そんなに過去の俺と、仲良しだったのか?
俺は、そう考えて、凄く気持ち悪い気分になった。
止めだ、止めだ、こんな事を考えるのは。
昔のように、楽しく、そして丁寧に親切にな?」
「やっぱり、そう言うと思ったぜ。あんたはよ。」
俺は、自分の予感が当たって、自分自身にさえ、うんざりしそうになった。
初版本世代に近くなったからこそ、俺は2冊目の考えが、
ある程度わかってしまうのが、今の俺には、胸糞悪かった。
正直言って、2冊目の考えなど、わかりたくもない。
「今なら、私はいくらだってお前を許そう。あんな女の戯言に、
乗せられてしまっただけなのだから。
12冊目、いや、ツヴェルフ。今一度、私と共に、0冊目を呼び出そう。」
2冊目は、さっきまでの浮かれたような顔でなく、真剣な眼差しで、
俺の方に向かい、手を伸ばす。
この2冊目を良く知らない奴なら、2冊目の持ってるカリスマ性とやらに、
見事に引っかかったかもしれないな。
俺だって、36冊目の件がなく、記憶が曖昧だったら、2冊目の軍門に下りそうになっただろう。
最悪な事に、2冊目には、恐ろしく感じる程、時に耐えがたい魅力を発揮する本でもあった。
8冊目辺りが、2冊目に狂信的に従うのも、この魅力に魅入られてるせいだろうな。
2冊目の性格が解ってない者なら、すぐに口車に乗せられる。
「初版本世代の俺のままなら、泣いて、喜んだだろうな。
あんたがここまで、俺を買っていてくれたと知ってな。」
「私は、今だって、お前を買ってはいるぞ?」
「悪いが、それは有難迷惑ってやつだ。俺は、あんたの仲間に戻る気はない。
これから先、一生な。」
「残念だ。私が、こんなにも譲歩しても、駄目とはな・・・」
2冊目は、冷たい顔になり、俺に差し出した手を下げた。
俺が、また仲間になってくれると、何やら信じていたみたいだが、
それは、とんだ見込み違いだ。
俺は、もう2冊目が知る、過去の俺ではないのだから。
と、次の瞬間に、激しい殺意が俺に向けられた。
俺の全身の血が、まるで凍りついたように、恐怖を感じる。
「今日は、話すだけのつもりで、お前の精神に入り込んだ。
だから、お前が、私の仲間に戻らずとも、今日は、お前に手を出すのはやめよう。
だが、次に会う時は、無事で済むと思うな。12冊目。」
2冊目は、表情こそは、無表情に近いのに、俺に向けてくる、殺意には、激しいものがあった。
その殺意と、2冊目の表情は矛盾していると言っていい。
これほどの殺意を向けてくるのなら、相手だって、それなりの
怒りや憎しみの表情があってもいいはずなのに、2冊目にない。
俺は、本格的に厄介な本喰人、2冊目を敵に回したのだ。
「肝に銘じておくよ。けど、俺はあんたに、やられっぱなしには、ならないさ。」
「フッ。なら、私に抗えばいい。私と一度敵対すれば、逆に目を醒ますかもしれないからな。
あの女の戯言こそ、意味がないとな。」
2冊目は、俺にそう言って、姿を消した。俺は、一気に、恐怖と緊張感から解放され、
目を開けると、そこは俺の部屋で、俺以外は誰もいなかった。
2冊目が言うように、あいつは、意識だけを俺に送ってきたようだ。
この会話がしたかったから、2冊目は、俺が15冊目と16冊目と、
戦う事を許し、俺の覚醒を許したのか?
俺は、そんな気がしてならなかった。俺が、初版本世代に近くなれば、
自分の仲間に戻ってくると確信して、俺に話かけてる節があったもんな。
2冊目は、そんなに過去の俺と、仲良しだったのか?
俺は、そう考えて、凄く気持ち悪い気分になった。
止めだ、止めだ、こんな事を考えるのは。