第7章「思い出していくほどに・・・」
「ある女か・・・どこまで記憶を思い出したのかと思ったが、
その程度だったか。
あの女を、まだ、はっきりと思い出してはいないとはな。」
2冊目は皮肉そうに、俺に向かって笑う。
2冊目は、俺が計画の話を始めても、何も気にしていない様子だった。
「確かに、一時的に、あの女の言う事は間違いではないとされた。
私も酷く失望させられたよ。あの時はね?
だが、私は諦めなかった。あんな女の言う言葉だけで、
私の計画が無駄になるなどありえないとね。」
「相変わらず、執念深いな、そういうとこ。」
「フフ。私の執念深さは、お前が一番良く知ってたからな。」
「思い出したくもないけどな。あんたとの過去なんて。」
俺は、心底、嫌そうな顔をして言ってやった。けれど、2冊目は、
そんな俺に嬉しそうだった。
マジで、普通の神経じゃないな、2冊目は。
「そういうとこは、過去のお前のようなのにな。なのに、違うとは残念なものだ。
けど、今はそれもいい。私の計画には支障はない。」
「支障はないだって?まさか、計画は今でも進んでいると言うのか?!」
「ああ、進んでいるとも、何も問題なくな。」
2冊目は、ニヤリと嫌な顔で、俺をじっくりと見てから笑う。
俺は、全身がぞわっと悪寒が駆け抜けた。
こんな顔をする時の2冊目は、特に、自分の考えた計画などに
自信がある時にした顔だった。
この顔をした2冊目は、過去に確かに、様々な事を成し遂げている。
俺が知り限りで、失敗したものはない。
それだけ、自信があると言う事か、厄介すぎるな。これは。
「どうしてだ!最初の計画では、0冊目を呼ぶなんて無理なんだろう?!
何か他の方法でもあったとでも言うのか?!」
「正しく、その通りだよ。12冊目。他の方法と言うよりは、
最初の計画が単純すぎただけだ。」
「単純すぎただけ?」
「そう。ただ、同族を殺しさえすれば、0冊目が出現するなんて、
私だって、疑ってはいた。
幻とまで言われた0冊目だぞ?殺し合いをすれば、最後には、
出てくるなんて、簡単すぎる。」
「簡単すぎるって・・・」
「だから、私は調べた。長い年月をかけ、丹念に丁寧に、
私達を生み出した人間の一族達をな。」
「まさか・・・」
「そして、私は知った。0冊目を呼び出すには、もっと複雑なプロセスが必要だったことを。」
「ふ、複雑なプロセス・・・?」
俺は、雄弁に語る2冊目の言葉に、動揺が隠せなかった。
2冊目は、あの計画に、ここまで心血を注いでいたのだ。
そして、計画が成し遂げられる方法を、ついには見つけてしまった。
これは、もう最悪な事態だと言っていいだろう。
「その複雑なプロセスって言うのは、どういうものなんだ!
教えろ!2冊目!!」
俺が、やや悦に浸っている2冊目に叫ぶと、2冊目はチラっと俺の方を見て、微笑む。
その勝ち誇ったような顔に、俺は2冊目に虫唾が走る。
次に言いそうな言葉を、俺は先に思いついてしまったからだ。
その程度だったか。
あの女を、まだ、はっきりと思い出してはいないとはな。」
2冊目は皮肉そうに、俺に向かって笑う。
2冊目は、俺が計画の話を始めても、何も気にしていない様子だった。
「確かに、一時的に、あの女の言う事は間違いではないとされた。
私も酷く失望させられたよ。あの時はね?
だが、私は諦めなかった。あんな女の言う言葉だけで、
私の計画が無駄になるなどありえないとね。」
「相変わらず、執念深いな、そういうとこ。」
「フフ。私の執念深さは、お前が一番良く知ってたからな。」
「思い出したくもないけどな。あんたとの過去なんて。」
俺は、心底、嫌そうな顔をして言ってやった。けれど、2冊目は、
そんな俺に嬉しそうだった。
マジで、普通の神経じゃないな、2冊目は。
「そういうとこは、過去のお前のようなのにな。なのに、違うとは残念なものだ。
けど、今はそれもいい。私の計画には支障はない。」
「支障はないだって?まさか、計画は今でも進んでいると言うのか?!」
「ああ、進んでいるとも、何も問題なくな。」
2冊目は、ニヤリと嫌な顔で、俺をじっくりと見てから笑う。
俺は、全身がぞわっと悪寒が駆け抜けた。
こんな顔をする時の2冊目は、特に、自分の考えた計画などに
自信がある時にした顔だった。
この顔をした2冊目は、過去に確かに、様々な事を成し遂げている。
俺が知り限りで、失敗したものはない。
それだけ、自信があると言う事か、厄介すぎるな。これは。
「どうしてだ!最初の計画では、0冊目を呼ぶなんて無理なんだろう?!
何か他の方法でもあったとでも言うのか?!」
「正しく、その通りだよ。12冊目。他の方法と言うよりは、
最初の計画が単純すぎただけだ。」
「単純すぎただけ?」
「そう。ただ、同族を殺しさえすれば、0冊目が出現するなんて、
私だって、疑ってはいた。
幻とまで言われた0冊目だぞ?殺し合いをすれば、最後には、
出てくるなんて、簡単すぎる。」
「簡単すぎるって・・・」
「だから、私は調べた。長い年月をかけ、丹念に丁寧に、
私達を生み出した人間の一族達をな。」
「まさか・・・」
「そして、私は知った。0冊目を呼び出すには、もっと複雑なプロセスが必要だったことを。」
「ふ、複雑なプロセス・・・?」
俺は、雄弁に語る2冊目の言葉に、動揺が隠せなかった。
2冊目は、あの計画に、ここまで心血を注いでいたのだ。
そして、計画が成し遂げられる方法を、ついには見つけてしまった。
これは、もう最悪な事態だと言っていいだろう。
「その複雑なプロセスって言うのは、どういうものなんだ!
教えろ!2冊目!!」
俺が、やや悦に浸っている2冊目に叫ぶと、2冊目はチラっと俺の方を見て、微笑む。
その勝ち誇ったような顔に、俺は2冊目に虫唾が走る。
次に言いそうな言葉を、俺は先に思いついてしまったからだ。