第7章「思い出していくほどに・・・」
「怒るな、ツヴェルフ。いや、12冊目。」
「怒るなだって?どの口が言ってるんだ!!!」
俺は、平然としている2冊目に、激しく怒鳴った。こんなことで、
少しでも怯えるような本じゃないことは、俺もわかってはいる。
が、それでも、俺は感情が抑えきれなかったのだ。2冊目からすれば、
俺が怒れば、怒るほどに、喜ぶだろうと、思っていてもだ。
案の定、2冊目は目を細め、俺を感心そうに見ている。
その態度は示していた。やっぱり、36冊目を消して良かったと。
「あのツヴェルフが・・・女の本の為にここまで怒るとはな。
ふぅ。やっぱり、お前は変わってしまったようだ。
それだけじゃない。
15冊目と16冊目を戦わせるようにしたが、昔の様な残虐な殺し方はしなかった。
むしろ、共喰いさえしない。過去のお前なら、大好きだったはずなのに。」
「残念だったな。俺は、今の俺であって、過去のあんたの親友だった、
12冊目じゃないんだよ。」
俺は、きっぱりと2冊目にそう言い放ってやった。そうだ。
俺は、もう二度と2冊目と親友でいようとは思わない。
2冊目は、そんな俺を見て、寂しげ顔をしたかと、一瞬思ったが、
すぐに無表情な顔つきに戻った。
初版本世代に近い俺になったから、気づけた2冊目の表情の変化だったかもしれない。
他の本喰人なら、無表情のままに見えていただろう。
2冊目の微妙な感情の変化に気付けても、今の俺には嬉しくはないけどな。
「お前が過去のお前でないのなら、それはそれで私は構わない。
だが、過去に親友だったよしみで、忠告はしてやる。」
「忠告だと?」
俺は2冊目を睨みながらも、2冊目の言葉に眉を顰めた。
こんな最低な奴が、俺に何を忠告すると言うのだ。
「1冊目と3冊目を信頼しすぎるな。」
「ど、どういう意味だ?」
「そのままの意味だ。今のお前は、過去のあの出来事を、何も覚えていない。
いや、少しは記憶にあるようだが、完璧ではあるまい?」
「だからって、俺が記憶を完璧に思い出したら、あんたを許せるくらいになるって言うのか?」
「それは、私にもわからない。けど、どうして私が36冊目を消したかったのか。
理由くらいはわかるかもしれないな。」
「抜け抜けと・・・よくも俺に、そんな事を・・・」
無表情のままで、俺に忠告とやらをしてくる2冊目に、俺は、もっと激しく怒りを覚えた。
俺が記憶を完璧に取り戻すことが、何で、36冊目を殺されることに繋がるのだ。
全くもって意味がわからない。
「あんたの今もしようとしている計画は、もうとっくの大昔に
破綻しているんじゃないのか?」
俺はここぞとばかりに、怒りを我慢し、2冊目に計画のことを話そうと考えた。
今、2冊目とこんな形とは言え、話が出来るのなら、聞き出すべきだ。
俺が計画と言っただけで、2冊目の顔は少し歪んだ。
「破綻しているだと?」
「そうだ。あんたの計画では、本喰人の数を極力まで減らさないといけないんだろ?
幻の0冊目を呼び出す為に。」
「意外だ。そこまでは、思い出していたのか。」
「俺の事はどうでもいい。でだ、ある女が言っていた。
そんなことをしても、0冊目を呼び出すことは出来ないってな。」
「・・・・・・・」
2冊目は目を閉じ、俺の言葉を聞いている。
激しく反論でもしてくるとのか、俺は思っていただけに、
2冊目のこの態度が逆に気になった。
俺は2冊目が口を開くのを、しばらく待った。
「怒るなだって?どの口が言ってるんだ!!!」
俺は、平然としている2冊目に、激しく怒鳴った。こんなことで、
少しでも怯えるような本じゃないことは、俺もわかってはいる。
が、それでも、俺は感情が抑えきれなかったのだ。2冊目からすれば、
俺が怒れば、怒るほどに、喜ぶだろうと、思っていてもだ。
案の定、2冊目は目を細め、俺を感心そうに見ている。
その態度は示していた。やっぱり、36冊目を消して良かったと。
「あのツヴェルフが・・・女の本の為にここまで怒るとはな。
ふぅ。やっぱり、お前は変わってしまったようだ。
それだけじゃない。
15冊目と16冊目を戦わせるようにしたが、昔の様な残虐な殺し方はしなかった。
むしろ、共喰いさえしない。過去のお前なら、大好きだったはずなのに。」
「残念だったな。俺は、今の俺であって、過去のあんたの親友だった、
12冊目じゃないんだよ。」
俺は、きっぱりと2冊目にそう言い放ってやった。そうだ。
俺は、もう二度と2冊目と親友でいようとは思わない。
2冊目は、そんな俺を見て、寂しげ顔をしたかと、一瞬思ったが、
すぐに無表情な顔つきに戻った。
初版本世代に近い俺になったから、気づけた2冊目の表情の変化だったかもしれない。
他の本喰人なら、無表情のままに見えていただろう。
2冊目の微妙な感情の変化に気付けても、今の俺には嬉しくはないけどな。
「お前が過去のお前でないのなら、それはそれで私は構わない。
だが、過去に親友だったよしみで、忠告はしてやる。」
「忠告だと?」
俺は2冊目を睨みながらも、2冊目の言葉に眉を顰めた。
こんな最低な奴が、俺に何を忠告すると言うのだ。
「1冊目と3冊目を信頼しすぎるな。」
「ど、どういう意味だ?」
「そのままの意味だ。今のお前は、過去のあの出来事を、何も覚えていない。
いや、少しは記憶にあるようだが、完璧ではあるまい?」
「だからって、俺が記憶を完璧に思い出したら、あんたを許せるくらいになるって言うのか?」
「それは、私にもわからない。けど、どうして私が36冊目を消したかったのか。
理由くらいはわかるかもしれないな。」
「抜け抜けと・・・よくも俺に、そんな事を・・・」
無表情のままで、俺に忠告とやらをしてくる2冊目に、俺は、もっと激しく怒りを覚えた。
俺が記憶を完璧に取り戻すことが、何で、36冊目を殺されることに繋がるのだ。
全くもって意味がわからない。
「あんたの今もしようとしている計画は、もうとっくの大昔に
破綻しているんじゃないのか?」
俺はここぞとばかりに、怒りを我慢し、2冊目に計画のことを話そうと考えた。
今、2冊目とこんな形とは言え、話が出来るのなら、聞き出すべきだ。
俺が計画と言っただけで、2冊目の顔は少し歪んだ。
「破綻しているだと?」
「そうだ。あんたの計画では、本喰人の数を極力まで減らさないといけないんだろ?
幻の0冊目を呼び出す為に。」
「意外だ。そこまでは、思い出していたのか。」
「俺の事はどうでもいい。でだ、ある女が言っていた。
そんなことをしても、0冊目を呼び出すことは出来ないってな。」
「・・・・・・・」
2冊目は目を閉じ、俺の言葉を聞いている。
激しく反論でもしてくるとのか、俺は思っていただけに、
2冊目のこの態度が逆に気になった。
俺は2冊目が口を開くのを、しばらく待った。