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第6章「後悔の先にあるもの」

互いに今後の事を、軽く話し合い、食事会はお開きになった。
俺は、トワ達に気遣われて、片付けなどは、しなくて良いと言われたので、
自分の部屋で、のんびりさせて貰う事にした。
トワ達の気遣いに、俺は感謝せざる負えなかった。
今頃になって、俺は、15冊目と16冊目の戦いの疲れが、
どっと出て、ベッドに寝た時には、起き上がれる気力がなくなっていたのだ。

「トワ達に、心配かけたくなくて、俺は気が張ってたみたいだな。
そこに、感情の起伏にも、気を使っていたから、自分の体力の限界に
気付くのが遅れたようだ。
もう少し遅かったら、俺はあの場にぶっ倒れてたな・・・危なかったわ。」

俺は、ベッドにぶっ倒れてから、ろくに動かせない自分の身体を恨めしく思いながらも、
トワ達の前で倒れないで済んだことだけは、助かったと思った。

「トワの目の前で、ぶっ倒れたら、大騒ぎしつつ、大泣きしそうだからな。
そうならなくて、良かった。皆にも、多大な迷惑をかけるところだったな。」

俺は、激しい疲れから、目を閉じ、そんなことを考えて、力なく笑った。
ここまで、体力が持ったのは、今夜の夕食が豪華で質の良いもの
だったのもあるだろう。
今日の俺は、今の俺が生きてる中で、一番「喰べた」日だな。

「他の奴らは、会話に夢中で気づいてなかったけど、トワだけは、
びっくりしてたよな・・・俺の食事量に。」

俺の日常の差に、トワは敏感に勘づくんだよな。俺の眷属なのはあっても、
やっぱり女の子の本だと言うのもあるからなのか?

「四四と居ることで、トワも、もっと女としても成長出来たのかもな。
良かったのか、悪かったのか・・・口うるさくなるのが、酷くなるのだけは、
勘弁して欲しいな・・・あいつみたいにな・・・」

と、俺は自分の口から、あいつと突然言い出し、固まる。
え?俺は、今誰の事を言ったんだ?あいつ?

「もしかして、15冊目と16冊目と戦った時に見た、あの過去の記憶の女の事か?
そーいえば、結局、あの女の正体はわからなかったな・・・」

師匠なら、知っているだろうか?
俺は考えてみる。十にも聞きそびれたな・・・聞けば良かったのに。
今日の俺は、色々な事がありすぎて、抜けてしまっているな。
それでも、今日の俺は、強くなれた。自分が想像していたよりも、
格段にだ。
後は、自分の力を暴走させないように、努力するだけか。

「しかし、2冊目は、どうして俺の覚醒に力を貸したんだ?
その理由も、3冊目に聞けば、わかるのか?
けど、どう考えたって、俺が強くなるのは、2冊目側からしたら、
得な事はない気がするんだけどな。
しかし、そんな事を言い出したら、今の俺になってから、
2冊目は会いにも来ないどころか、姿さえ見せないもんな。」

俺は、考えれば、考える程に、初版本世代に近い力を手に入れたのを、
素直に喜べなくなってきた。
強くなれば、自分の身や、トワだって守ってやれるはずなのに。
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