「すげぇー持って来たな。」

俺が、大量に本を持って来た、セア達に感心していると、セア達は、
皆で食事する時に使うテーブルの各席に、ド派手にラッピングされた、
バスケットを丁寧に置いていく。
それから、テーブルの真ん中にも、大量に本を用意し、豪華に飾りつけをする。
俺や師匠達は、驚嘆しながら、セア達の様子を見守っていた。

「さぁ！やっと用意が出来たわ！皆、自分の席に着いて♪」

セアは笑顔で、俺達にそう言う。そんな姿は、まるでキュアートそのものだ。
皆は、セアの言葉に嬉しそうな顔で従う。あの師匠でさえもだ。

「お待たせしちゃって、ごめんね！でも、今日はお祝いだからね♪
皆で、こうして食事出来るのも、後、数回あるかどうかだから、
今日は大奮発しちゃった♥
では、六ちゃん！挨拶して！挨拶♥」

セアは、自分の横に座っている、師匠に挨拶をお願いする。
師匠は恥ずかしそうにしながらも、俺達に食事の前の挨拶をし始めた。

「おほん。あーそうだな。今日は、十二も修行が無事に終わり、
３冊共に、無事に卒業出来た。
これも、セア殿を始め、四四や、トワの支えもあったからだと、
拙者は思う。
だから、今日は皆で、祝いながら楽しく食事をしよう。
では、頂きます！」
「わーい♪頂きます♪」
「頂きます。」

ゴートンは、人一倍嬉しそうな声で、自分用のバスケットを見て喜び、
二四も笑顔で、食事を開始した。俺やトワに四四も、自分達用に
用意された本を、
美味しく「喰べ」始めた。

「おお！今日は、本当に豪華だな！」
「でしょーでしょ？♪セアお姉ちゃんがね、キュアートお姉様から送られてきた、
高級な本を、大奮発してくれたんだよ♪」
「相変わらず、キュアートは気前がいいな。いや、今回はセアだけど。」
「でね！セアお姉ちゃんが、そのまま、本を出すのも味気ないって言って、
前から用意してあった、十二達用のバスケットに、各自の好きそうな本を入れて、
今日は出したんだ♪」
「ほうほう、そうだったのか。そこも、セアらしいな。」
「ラッピングとかは、私と四四ちゃんも手伝ったよ♪
後、十二と、ゴートンの食事は、私がチョイスしたんだ♪」
「なるほど。道理で、俺の好きそうなものばかりだと思った。
セアが用意してくれたのか、有難うな。」
「えへへ。どういたしまして♪」

俺は、トワと会話しながら、自分の食事を更に楽しむ。
いやー空腹に、この哲学書は、美味すぎるだろう。最初に食べた、
戦略的、仕事術！ってタイトルの本もいいけどな。

「もし、足りなかったら、テーブルの真ん中にも、十二の好きそうな本が、
あると思うから、取って「喰べて」ね♪」
「ああ、わかった。」

トワは、俺にそう言うと、少し離れた席のゴートンの側に行き、
何やら話している。
どうやら、トワは俺以外にも、ゴートンの食事も用意したみたいだな。
薄っすら聞こえる会話の内容で、トワがゴートンに用意した
食事はどうか？と感想を聞いているのが聞こえた。
ゴートンは笑顔で、俺と同じようにトワに感謝していたので、
トワも、凄く嬉しそうだった。
二四の食事は、四四が用意してあげたみたいだな。
二四と四四は、また２冊で、穏やかに会話をしながら、食事をしていた。
こっちはこっちで、落ち着いた熟年夫婦みたいだな。
いい感じの雰囲気が、こちらにも伝わってきて、俺まで、
穏やかな気分させられてしまった。