「あら？♥随分と賑わっているわね♪やだ？！十二なの？！」

居間にいる俺達を見かけ、セアも近づいてきた。セアは俺を見ると、
口元を手で隠して、驚いて見せる。
そんな仕草は、まさにキュアートみたいだなぁ。流石、娘。

「ちょっと、渋い感じが出て、いいんじゃない？♥
ま、それでも、私の六ちゃんよりは、まだまだだけどね♥」
「はいはい。いつも、いつも、ご馳走様な。」
「何よ！素直に喜べばいいのに！でも、いいわ。
今日は、お祝いしなきゃだもんね♪」
「え？お祝い？」

いきなり登場したセアは、ニコニコしながら、俺や二四とゴートンを見る。
トワと四四は、ぽかーんとした感じでセアを見ていた。

「もうー今日はお祝いすべきでしょ？六ちゃんから聞いたけど、
皆の修行がひと段落したって言ってたわ。違うの？」
「あ、違わないぞ。今日で俺も今回の師匠の修行は卒業だからな。」
「ほら！なら、今夜は豪華なお食事にしないとね♪
トワちゃん、四四ちゃん、夕食の準備の手伝いしてくれる？」
「うん！するする♪」
「はい！ぜひ♪」
「じゃあ、一緒に来て♪」

セアは、トワと四四を連れて行くと、自身の部屋の方向に消えていった。
これは、今夜の夕食は、いつも以上に期待出来そうだな。
俺も断食から解放されたから、今日はガッツリ「喰う」ぞ！

「では、私達も、この部屋を少し片付けて、場所の確保とかしましょうか？」
「そうだね！六師匠とセアお姉さんのペア席とかも作らないとね！」
「はは。ゴートンは、そういう気遣いは、しっかり出来るよな。
でも、間違っても師匠の前で、わざとらしく言うなよ？」
「そ、それは、もちろん、僕だってわかってるって！！」

俺がゴートンに忠告してやると、ゴートンは焦った顔を
しながらも、二四と一緒に、部屋の片づけをし出した。
俺達は、美味しい食事を楽しみにしながら、ワイワイと楽しく
会話をしながら、セア達が来るのを待った。そこに先に、師匠が顔を出した。

「おお？何事だ。この感じは？」
「あ、師匠。今日はセアがお祝いだと、言い出しまして。
今、夕食の準備を、トワと四四で、一緒にしているところです。」
「うむ、そうであったか。しかし、セア殿は、本当に、パーティーと言うか、
そうしたものが、好きな女子であるからな。」
「仕方がありませんよ。キュアートに育てられた娘ですから。
キュアートの側に居れば、日頃から、盛大なパーティーとか
していたでしょうからね。」
「そうなのか？うむ。拙者には縁のない世界ゆえ、よくわからんな。」
「あはは。それは俺や、二四達も同じだと思いますよ。な？」

俺は師匠に、現状の報告をしつつ、二四とゴードンにも話題を振る。

「上流階級って言われる人達のパーティーに、１度は行ってみたいけどね、僕は。」
「私も、社会経験で、１度くらいなら、見てみたいです。」
「ほうほう。お前達は、そう思うのか。なら、拙者も、お前達の向上心を見習わなければな。」

師匠は、その後もゴートンや、二四の意見を聞き、感心している。
俺達は、今回の修行で、いい師弟関係が出来たよな。
俺にも弟弟子が出来たし、悪い気分はしない。俺が師匠と二四達の会話を、
楽しく見守っていると、セア達が大量の本を持って、戻ってきた。