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第6章「後悔の先にあるもの」

トワの頭を撫でてやってすぐに、二四とゴートンも、居間に来た。
2冊達は、俺を見ると、変に緊張しているのが、俺にはわかった。
トワと同じで、二四もゴートンも、俺が相当、怒っていると思って、
この居間に来たみたいだな。

「二四、ゴートン。先に言っておいてやるけど、俺は何も怒ったりしてないからな?
もし、俺から嫌な気を感じたりしたら、すまない。今日、急激に
本質が変わったから、俺自身も気の流れがまだ管理出来てないんだ。」
「え?ほ、本当?良かったぁー」
「そ、そうですか。なら、良かったです。私達が、十二先輩に、
失礼なことをしたのでなければ・・・」

二四とゴートンは、俺の言葉を聞いて、安堵していた。
トワはその様子を見ていて、自分だけが、そう感じていたのではないことに、
また安心したみたいだ。
二四やゴートンにも、迷惑かけてしまうとはな・・・ちょっと申し訳ないな。

「今日は、まだ自分の感情の強弱が制御出来ない部分があるかもしれないが、
とにかく、気にしないでくれ。もし、殺気とか感じても、
今日の俺は怒ったりしてないからな?」
「あはは・・・十二先輩、それは、なかなかキツイよぉ。」

ゴートンは苦笑いで、俺の話を聞き、二四も少し困り顔だ。
ゴートン達の気持ちもわからなくもないんだが、俺自身でも、
まだ制御しきれないのだから、どうにも出来ないんだよな。
うーん、どうしたものか・・・

「あの、十二?ちょっといいですか?」
「ん?どうした?四四?」

俺は、四四に声を掛けられ、反応すると、四四は手に小さなお守りを持っていた。
そして、それを俺に渡してくれる。俺は素直にそれを受け取り、
そのお守りを見る。

「余計なお世話かもしれないんですが・・・良かったらと思って。
そのお守りは、気持ちを鎮めてくれる効果があるものなので、
もし良かったら、十二にと思って。」
「おお!マジか!すげー助かるよ!四四がくれるものだ、喜んで貰うよ!有難うな!」

俺は、喜んで四四から貰ったお守りを胸のポケットにしまった。
うん。これなら、また少しは、トワ達に迷惑をかけずに済みそうか?

「四四のお守りは、早速効いてるみたいですね。十二先輩の
気配が、また少し穏やかになりました。」

二四は、俺にそう報告してくれる。二四が、こんな風に言うくらいだから、
玄関での俺の気配は、かなりヤバかったのか・・・
本当に、ちょっとだけ、イラっとしたくらいなんだけどなぁ。
初版本世代並の力を覚醒出来たのに、今は不便でしかない。

「ま、四四のお守りのおかげで、さっきよりはマシになるだろう。
そうだ。今日は、俺も今回の師匠からの修行を卒業した。」
「わー!十二先輩も、卒業したんだ!おめでとうございます♪」
「十二先輩、卒業されたんですね。おめでとうございます。」

ゴートンと二四が、笑顔で、俺に祝いの言葉をくれる。
自分の事のように、喜んでくれる2冊達に、俺は少し照れ臭い。
でも、嬉しいもんだな。弟達に喜ばれているみたいで。
トワや、四四も、一緒になって、拍手して喜んでくれていた。
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