第1章「下巻の奴等」

「お前、本当にそんなに弱かったのか?俺が聞いた話では、
お前と24冊目は、同格なくらい強いって聞いたんだけどな?」

俺は、呆れ顔で50冊目に聞く。50冊目は、申し訳なさそうな顔して、
俺から視線を反らす。

「ごめんなさい。僕は12冊目に嘘をついてました・・・」
「嘘?どんな嘘だ?」
「僕は、24冊目とは戦ってない。それどころは、24冊目は、
あいつは、僕の大事な仲間で親友なんだ!」
「はぁ?!!!」

俺は、50冊目の言葉に、仰天し、つい大きな声を出してしまった。
仲間で親友?なら、なんで、あの時、24冊目は、俺に切れたのだ?
「仲間」と言う言葉に。

「本当か?にわかには信じられないが・・・お前だけが、そのつもりでいて、
相手はお前の事、そう思ってなかったんじゃないか?」
「そんなわけない!ニシは!あいつは、僕を裏切ったりしない!」

あのいつもチャラチャラした感じの50冊目が、今ばかりは、本気の目で俺を見てきた。
その顔は真面目そのもので、親友との仲を疑っている俺に、本気で怒っている。

「わかった。お前の話は信じる。でも、じゃあ、何で、24冊目は
お前を監禁したんだ?仲間だったんだろう?」
「それは・・・あいつはきっと、僕を守る為に・・・」

50冊目は、今度は一気に脱落する。そして、24冊目との、
今までの暮らしを俺に話し出した。
どうやら、この2冊は長い事一緒に協力して生きてきたらしい。

「下巻って立場的に弱いじゃん?だから、僕は結構、下巻の子達とは
仲良くしてたんだ。何冊も一緒に兄弟の様に暮らしてた。
それでも、下巻の仲間は、どんどん減ってしまって・・・
そんな時に、弱ってる24冊目にあったんだ。」
「ほう・・・」
「24冊目は・・・ニシは最初は、なかなか心を開いてくれなくて、
何でも、育ててくれた13冊目を2冊目に殺されたらして・・・」
「マジか・・・13冊目・・・いい本だったのに・・・」

俺は50冊目の話の途中で13冊目の最後を聞いて、
口を挟まずにはいられなかった。
13冊目も俺と同じで、共喰いを最低の行為だとして嫌っていた。
だから、俺とは意見が合ったのもあり、仲良くしていた。
最近、しばらく会ってなかったので、どうしているだろうと
思っていたのに、ここで悲しい報告を聞くことになろうとは。

「すまん。続けてくれ。」

俺は50冊目にそう言って、話の先を促した。

「それで、僕も言ったんだ。僕も兄弟だと思っていた、下巻の子達を喰われたり、
殺されたりしたって。そうしたら、だんだん心を開いてくれるようになってさ。
それからは、大体わかるでしょ?」
「まぁ、そこまで聞けばな・・・でも、なら何で、今回は協力しなかったんだ?」
「ニシは、あいつは、きっと僕を守るのと同時に、2冊目に
復讐しようとしてるんじゃないかなと思う・・・。」

50冊目は、何よりも悲しい顔をして、自分の考えを俺に話した。

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