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第6章「後悔の先にあるもの」

「十二。お前と戦う時は、少し間を開けて、
互いにまた成長出来たと確認出来た時に戦おう。
拙者も、うかうかしておれんな。お前がここまで成長出来るのだからな。
拙者も、まだまだ成長出来る見込みはありそうだ。」
「ははは。師匠が、これ以上強くなったら、それはそれで、困る気もするんですが。」

嬉しそうな顔で、新たに自分の成長の為の修行を宣言する師匠に、
俺は、少しだけ苦笑いしてしまった。
師匠の向上心は、見習うべき程に素晴らしいことだ。
俺も、今回の事で、のんびりはしていられないな。
久しぶりにした師匠との修行を活かしながらも、俺は自分の過去を調べなければな。

「十二、後は、ある程度の話し合いを二四達と交えてした後は、
お前はまた東京に戻るのだろう?」
「はい。けど、出来るのなら、早い段階で、3冊目の元を訪ねようかと思ってます。
日程をはっきり決めるには、十の協力も必要ですが。」
「ほう。3冊目の所にか。しかし、そうだな。今の十二なら、
3冊目に会い、3冊目しか知らぬ情報を得た方がいいかもしれんな。」
「師匠も、そう考えますか?」
「ああ。お前の今の姿は、初版本世代の頃に近いからな。
今日の1冊目が、どういう理由で、お前をその姿にさせたかは、
拙者には詳しくわからんが、
その姿になることを許可したのなら、3冊目に話を聞いた方が、
諸々に都合が良いだろうと思うぞ。」
「わかりました。では、やはり早急に、俺は3冊目に会いに行きたいと思います。」
「うむ。無事に3冊目に会い、3冊目が許してくれるのなら、
お前達の話を、拙者にも聞かせてくれ。」
「はい。話しても大丈夫だと3冊目が言ってくれさえすれば、
絶対に師匠やキュアートにも連絡します。」

俺は、真顔で師匠に頷き、承諾して見せた。師匠も安心したのか、
穏やかな顔になり、では、帰ろうか。と短く言った。
俺と師匠は、二四達が待っている拠点に帰った。

「ただいまー」

俺が師匠の代わりに、帰宅の声掛けをすると、トワが、嬉しそうに、
パタパタと軽い足取りで走って、俺の元に来る。

「十二!おかえりなさ・・・?!え?!本当に十二なの?!」

トワは帰ってきた俺を、見るなりに、開口一番で驚きの声を上げた。
やっぱり、こんなにも驚かれる程、俺って外見変わったのか?
いや、四四も、そこまでは変わってないと言ってたはずだが、
トワだから、少し大袈裟に騒がれているだけなのか?

「なんだよ、トワ。そんなに俺は変わったか?」
「だ、だって・・・今日の朝は普通に修行に行ったはずなのに、
外見は少し老けたみたいだし、髪の毛は伸びて、バサバサだし、
服装だって、どんな修行したのか知らないけど、ボロボロだよ?」

トワは驚きの顔から、俺の今の外見を、俺に説明するほどに、
今度は心配そうな顔になっていく。
ああ、そう聞くと、少しは心配されても、しょうがないかもな。
確かに、自分の身体を確認すると、服は、かなりボロボロになっていた。
大きな怪我などはないが、身体は埃まみれでもある。
これは、早く自分の部屋に戻り、風呂も借りて、身なりをどうにかしたいな。
俺がトワと玄関で、しゃべっていると、今度は奥から、二四とゴートンも顔を出す。
二四もゴートンも、俺の姿を見て、目を丸くしていた。
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