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第6章「後悔の先にあるもの」

しばらくの間、俺達は四四を見守り、15冊目と16冊目と対話が
無事に出来ないものかと願った。
しかし、四四は残念な顔をして、俺達に結果を話す。

「15冊目と16冊目も、今は完全な眠りに入ってます。
私の方で何度か、強く呼びかけたのですが、駄目みたいです。
お役に立てずに申し訳ありません。」
「そうであるか。残念ではあるが、無理もあるまい。
この2冊は、今日、十二と戦い、力は使い果たして負けたのだからな。
そう都合良く回復は出来まい。」
「すいません。俺が、もっと上手に戦う事が出来ていれば、
この2冊にも、変な負担をかけずに済んだかもしれないのに・・・」
「十二も、四四も自分を責めることはない。特に十二。
お前の判断は間違っていなかったと拙者は思うぞ。」
「師匠・・・」
「お前が変な情けをかけていたら、あの2冊目の事だ。
逆に何をしてきたかわかったものではない。
それこそ、15冊目と16冊目を消滅させるようなことをしたかもしれぬ。
その心配もあったからこそ、お前は、この2冊が、こんな状態になるように、
あえて手加減もせずに追い込んだのであろう?」

俺は師匠の鋭い洞察力に、恐れ入った。
やっぱり、師匠なら、俺の考えを見抜いてくれると思ったんだ。
そう、あの2冊目のことだ。俺が、15冊目と16冊目との戦いで、
手を抜いていると思われたら、俺よりも15冊目と16冊目に危害が、
いくのではないかと、俺は心配した。
2冊目は、俺がどう覚醒したのか、ちゃんと見たかっただろうからな。
それが、ちゃんと見れなかったと判断したら、どんな手段で嫌がらせしてくるか。
十から聞いた話の事も考えれば、15冊目と16冊目の大事に
している存在にだって、危害がいくかもしれない。
だから、俺は本気で戦ったのだ。15冊目と16冊目に。

「はい。俺達が本気で戦ったと、2冊目は思ったからこそ、
今、こうして15冊目と16冊目が俺の手にあっても、
何もしてこないのだと、俺は思ってます。」
「うむ。拙者も、そうではないかと思うぞ。」
「自分も、そう思いますね。どのみち、今のこの2冊達では、
2冊目側も、利用価値がないと、判断したのもあるかもしれませんが。」
「それもあるだろうな。2冊目は合理的でもあるからな。」

俺は十の台詞にも同意する。四四の呼びかけにも、反応出来ないのだから、
2冊目側としての、この2冊の利用価値は、後は食事としてくらいだろうな。最悪な話だが。

「六、十二、提案なんだが、いいかな?」
「うむ。どんな提案だ、十。」
「うん、教えてくれ。」
「15冊目と16冊目を、自分に一時的に預けて貰えないだろうか?」
「十に?いいのか?」
「拙者達は構わぬが、十は、本当に良いのか?」

俺と師匠は十の提案に、賛成ではあるが、十に迷惑をかけないかだけが心配だった。
十は、俺達の考えがわかったのか、笑って言う。

「安心してくれ。自分には迷惑はかからないよ。この2冊達には、
3冊目の所に行って貰おうかと思ってね。」
「3冊目か・・・確かに、俺達の所よりは、安心出来そうだ。
師匠も、そう思いますよね?」

俺は師匠に聞くと、師匠も同意して頷く。
十は、俺達から同意が得られたとわかると、善は急げと、
15冊目と16冊目を引き取り、その場から姿を消した。
俺は、師匠と四四と一緒に、洞窟内に残り、話し合いを続ける。
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