このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第6章「後悔の先にあるもの」

「師匠、それから、十。15冊目と16冊目は、どうしたらいいですかね?」

俺は、師匠達に、15冊目と16冊目の今後の扱いを相談をする。
すぐに二四達の拠点に連れて行くのは、良くないだろうと俺は考えた。
それは師匠も同じようで、どうしたものかと、言った顔をしていた。

「その本の姿では、何もすぐに、我々に危害を加えるのは無理だとは思うが、
しかし、2冊目が何か細工をしてないとも言い切れんしな。」
「ですよね。自分も、多少なり危険な可能性があると思うのなら、
拠点にすぐに連れて行こうとするのは止めた方がいいかと。」
「じゃ、どうしてやったらいいと思う?このまま、ここに放置と言う訳にも・・・」
「四四に、頼んでみたらどうだ?」
「え?四四にですか?」

師匠が、思いついた案はこうだ。
俺と十が、この洞窟に留まっている間に、師匠が四四を呼びに戻り、
四四と一緒に、この洞窟に来て貰い、今の姿である、
15冊目と16冊目に対話を試みて貰ったら、どうかと言うのだ。

「それは名案かもしれませんね。44冊目の能力は、六からも聞いてますが、優秀なようですし、
もし44冊目の能力で、15冊目と16冊目の対話が可能になれば、
15冊目と16冊目の救いたがっている存在を助けてやれれば、
こちら側の仲間になってくれるかもしれません。」
「確かに、それには俺も大賛成だ。訳があって、こいつらと戦う事になったとは言え、
こんな姿にさせてしまった責任はあるからな。
出来るなら、罪滅ぼしではないが、俺はこいつらに協力してやりたいと思ってる。」

俺は師匠達に言うと、師匠達も俺の意見に賛成してくれた。
師匠の提案はすぐに、その場で賛成が決まり、師匠は急いで、
四四を呼びに、拠点に一旦帰った。
静かな洞窟には、俺と十と、本の姿の15冊目と16冊目が残った。
十は、黙ってはいるが、今の俺の姿に興味があるのか、
まじまじと遠慮なく俺を見てくる。
俺は、くすぐったい気持ちになって、俺から十に話しかけた。
変に気を使わずに、気軽の話かけてくれればいいのに。
逆にその態度が俺には気になってしょうがないんだが。

「十。頼むから、何か言いたいことがあるなら、言ってくれ。
ジロジロ見てくるのに、黙っていられるのは、
気分のいいものじゃないんだが・・・」
「あ、そうですね。申し訳ない。悪気があるわけじゃないんだ。
ただ、十二は、本当に変わったんだなと思って。」
「今の俺は、そんなに変わったのか?外見は、まだ自分の目では、
ちゃんと確認してなくて。
力の方は、15冊目と16冊目と戦えたから、変化には気付けたんだけどな。」
「自分から見た、十二は外見は少し上になった感じに見受けられるね。
髪の毛は長髪になってる。」
「へぇ?マジか?」

俺は十に言われて、自分の髪の毛を触ってみた。確かに、ちょっと・・・
いや、それなりのに、伸びてしまったみたいだな。
これは、帰りの途中に散髪でもしなきゃ駄目か?トワが今の俺を
見たら、無用に騒ぎそうな気がするな。
47/60ページ
スキ