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第6章「後悔の先にあるもの」

俺が、15冊目と16冊目を挑発してしまい、激しい戦闘に
なってから、軽く1時間は過ぎた。

「こんなにも成果が出るとはな。これは・・・
今後、慎重になるべきかもしれないな。この方法は・・・」

1冊目が何やら遠くで呟いてるのは、俺にもわかったが、
内容までは、はっきりとわからなかった。
俺は、平然として、激しく息を切らし、苦しそうにしている
15冊目と16冊目を見据えていた。
2冊達は、文字通りに命懸けで自分達の能力を全力で使い、
俺と激戦を繰り広げたのだが、今の俺は、余裕を持って、
この2冊達の攻撃を退けるくらいの力が、ついたことが証明された。
もちろん、2冊達にとっては、かなり痛い反撃も行っている。
15冊目は、もう左腕が使い物にならないだろうし、
16冊目は、反対に右腕を痛そうに庇っていた戦っていた。
形勢逆転と言う言葉があるが、まさに今の現状の事を言うのだろう。
たった1枚の古びれた紙を俺が「喰った」だけでだ。

「そろそろ、終わりにするか。俺は今の自分の状態を把握出来たからな。
これで、今回は満足だ。それに、この戦いが終わったら、
俺は1冊目と3冊目から、聞きたい話があるしな。」
「この野郎・・・最後の・・・最後まで・・・
僕達を・・・コケにしやがって・・・」

16冊目は、憎しみの炎を募らせ、激しく息を切りながら、
俺を睨んでいた。
15冊目も黙ってはいるが、同じ気持ちだろう。
15冊目の目にも激しい憎しみを感じるから。
こうなった現状には、俺も多少は同情はしてやるが、根本的には、
こいつらが悪いのだ。
組む相手を間違えたんだからな。

「何をどう言われて、2冊目側に付いたのかは知らないが、
あの2冊目が、本気で同族を大事にするわけがない。
今回の事で、はっきりと分かっただろう。
お前達は、ただ、いいように利用されただけだとな。」
「・・・・・」
「やっぱり、所詮は上巻クラスか・・・」

15冊目と16冊目は、静かに後悔しているようだった。
こいつらにとって、不運だったのは、2冊目側の本、
つまり8冊目に目をつけられてしまったことかもしれないな。
8冊目の誘いなど、断れば良かったのに・・・
どういう理由で誘いに乗ったかは知らないが、この2冊達の実力だったら、
2冊目の魔の手から、逃げ隠れくらいは出来そうだけどな。
もしかして、そんな生活をするのが嫌だったからとかか?

「ベリー・・・どうしよう・・・このままじゃ・・・」
「ダイス。最後まで諦めるな。俺達が諦めたら・・・
彼女を手助けする本がいなくなってしまう。」
「彼女・・・手助け・・・?」

俺は15冊目と16冊目の会話を聞き、疑問に思う。
もしかして、こいつらにとって大事な存在が、2冊目側の手にあるのか?
だから、嫌々に従っているだけ?俺は、何となくだが、そう考えた。

「さぁ、戦いましょう。12冊目。」
「僕達が、こんな状態だからって、甘く見るなよ・・・」
「ああ、わかってる。」

俺は最後の決意をした、2冊達の顔を見て、真剣に答えた。
どうにかして、こいつらから事情が聞けないものだろうか。
訳があって、2冊目側に組しているなら、助けてやりたい。
俺は、素直にそう思った。
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