第6章「後悔の先にあるもの」

「え?!」
「馬鹿な?!」

16冊目と15冊目は、正確に俺の居た位置に攻撃していた。
しかし、目の前には俺はおらず、近場を見渡しても、俺の姿が無いので、驚いている。

「ど、どこに消えたの?!」
「隠れたとかではなさそうだが・・・」

2冊達が俺を探し、キョロキョロしているのを、俺は遠くから確認し、
大声で、俺は自分の居場所を教えてやった。

「おーい!俺はここだぞ?」
「え?!!」
「ま、まさか、一瞬であそこまで移動したと言うのか?!」

俺の移動した場所を見て、16冊目と15冊目は、更に驚愕している。
俺は、さっきまでいた場所から、大分離れた、闘技場の観客席の中にいた。
そこへは、本来なら階段を使わなければ、行けないような高さでもあった。
何かしら能力を使えば、本喰人の俺達には造作もないかもしれないが、
俺は、自身の身体能力だけで、そこに移動出来ていた。

「ちょっと、2冊達の攻撃を避けようとしたら、ここまで来てしまうとはな。
これが、初版本世代の本喰人の力なのか?」

俺は、自分でも内心は驚きながらも、自分の身体の調子を見る。
あんなさっきまでは、芋虫みたいに地面に、転がっていたのが嘘のように、
身体は完全に回復している。

「身体は完治して、信じられないくらい身軽になった感じがする。
なのに、力がなくなったと言うわけでなく、本気で何か物を殴ったら、
平気でぶっ壊しそうな・・・そんな力が、今の俺にある気がする。」

手加減出来るだろうか?
俺は、15冊目と16冊目には、悪いがそう思った。
最初こそ、俺の方がボコボコにされたのだから、そう思うのは、
失礼かもしれない。
けど、今の俺は、本格的に戦い出したら、あの2冊達を
殺してしまうだけじゃ、飽き足らずに「喰って」しまいそうで、
怖かった。いや、断食してたのもあるから、感情が高まったら、
今の俺なら、共喰いも平気でしそうだ。

「1冊目は・・・共喰いは、何とも思わない派だったよな。
必要があればする派みたいな・・・俺が仮に、あいつらを
「喰べ」ても、止めもしなさそうだ。」

俺は、その事を少し悩みはしていたが、15冊目と16冊目は、
すぐに俺を追いかけて来て、
戦いを開始した。

「また、ちょこまかと逃げるな!12冊目!!」

16冊目は、俺にそう怒鳴りながら、自身の能力の一部を使い、
俺を攻撃してくる。

「悪いな。俺自身も、ここまで移動してしまうなんて、計算外だったんだ。」

俺は淡々と16冊目に答えながらも、何にも苦労せずに、16冊目の攻撃を防いでいた。
16冊目は、大きな火の玉ようなものを俺に向けて放つが、
俺は特に大した能力を使うでもなく、素手で全部受け止め消してしまった。
16冊目は、攻撃を防がれ、悔しそうな顔をするが、15冊目は、
そこに隙が生じたと思い、俺に向かって、更に攻撃を仕掛けた。

「本当に、いいコンビネーションだよな。お前達は。」

俺はニヤリとして、さっき16冊目にされた攻撃に、似たようなような火の玉を出して、
15冊目の攻撃に反撃するために、出してみた。
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