第1章「下巻の奴等」

ここで戦う気なのか?!
俺は、警戒はしていたが、まさか、一気にあれだけの殺意を、
この24冊目が自分の家の中で向けてくるとは思わなかった。
別にこの家を失っても、どうでもいいわけか。俺はそう考えた。
こんな所で激しく戦えば、騒ぎになるのは確実だ。
だが、それは、24冊目だけでなく、俺にも困ることではある。
人間にもし目撃されれば、面倒な事態になる。

「おいおい・・・ここで殺り合うつもりか?いきなりだな?」
「12冊目・・・貴方には失望しました。貴方は優しすぎる。
「仲間」だなんて言い出す時点で、貴方は18冊目には勝てませんよ?
非情になりきれないと・・・」
「そこに切れたのかよ・・・」

俺は、呆れるしかなかった。こいつの中では「仲間」と言う言葉は、
禁句ワードだったようだ。

「12冊目、貴方も50冊目と一緒に監禁させて頂きます!」
「ふざけるな!男に監禁される趣味はねぇーんだよ!」
「無駄ですよ?私の家に居る限り、貴方は勝てません。」
「何だと?」
「私の能力が、そういう能力だからです。」
「まさか?!」

俺は背後のドアを見た、この席に座らされた時に気づくべきだった。
何故、ここに座らせたのかを・・・

「私の1つの能力。相手を、決めた部屋に監禁出来るもの。
だから、12冊目、貴方を私の家に招いたんですよ?」
「そういうことか・・・通りで、穏やかに居られたわけだな。
特に俺がここに座った時点でな。」
「流石、12冊目。そこまでお気づきですか。やっぱり、貴方と
まともに戦ったら、私は勝てなかったかもしれませんね。」
「良く言うぜ。こんな能力はまだ序の口なんだろう?」

俺は脂汗を掻きながら、24冊目を軽く睨んだ後で、
嘲笑うような顔で、嫌味を言ってやった。
24冊目も同じように嫌味がある笑顔で返してくる。

「さぁ?どうでしょうか?」

24冊目がそう言った瞬間に、俺の背後のドアが突然開き、
黒い不気味な長い腕が何本も出て来て、俺を監禁部屋にと引きずり込む。
こうなってしまっては、中巻クラスの俺でも逆らえない。
相手のテリトリーで使われる能力は、外で使われるより強くなる。
しかも、24冊目の感じからして、能力として使っている本の話の内容と、
家の設定を合わせてあるのだろう。
そうすることで、能力は更に力を増す。現実味を帯びるからだ。
俺は、無駄に逆らうことを止めて、監禁部屋に押し込まれた。
そこは、真っ白い部屋で、50冊目が、床に寝かされていた。
気絶しているのか、弱っているのか、ピクリともしない。
真っ白い部屋は、床も天井も真っ白で、家具や窓もなく、小さな
空気穴さえない。
ドアの内側も壁と同じように真っ白で注意してみなければ、
ドアの存在さえもわかりにくいほどだった。

「クソ・・・油断したな。24冊目か・・・
下巻の中でも、しぶとく生き残ってるだけはあるみたいだな。
この俺を監禁するとはな。」

俺は、そう言いながら、部屋の中を見回し、再度50冊目の状態を確認した。
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