第6章「後悔の先にあるもの」

「はぁはぁ・・・いい加減に・・・観念しろって・・・」

16冊目は、激しく息を切らしながら、俺を鋭く睨み言う。
俺も、15冊目も、激しい戦闘が続き、それと同時に激しく息を切らす。
駄目だ・・・いくら俺でも、そろそろ限界だった。
自分が想像していたよりは、長い時間、抵抗出来たと思うが、
それもここまでのようだ。
俺は、疲れから油断が増え、とうとう15冊目の攻撃を避けきれず、左腕に受けてしまった。

「ぐっ!し、しまった!左腕を!」
「やった!ベリー!やっと12冊目に、いいダメージを与えたね!」
「ダイス!油断するな!更に攻撃続けろ!」
「あいよ!」

俺は、15冊目の攻撃を左腕に受けて、軽く骨折をしてしまったようだ。
そして、16冊目は、更に15冊目の掛け声で、弱った俺に更に追撃を行う。

「ぐは!!!」

俺は、今度は16冊目の攻撃が、右足に当たる。俺は、しっかり立っている事が出来ず、
しゃがんでしまう。
くそ・・・左腕に続き、右足に攻撃を受けてしまうなんて。
右足は骨折まではしてないみたいだが、これではもう、俺は素早い動きは出来そうにない。

「はぁああーやっと、12冊目を追い詰められたって感じ?」
「ダイス。まだ油断するな。12冊目は、それなりのダメージは受けてはいるが、
戦意は喪失してない。無用に近づくと反撃を受けるかもしれないぞ。」

16冊目は、少し弱っている俺に油断していたが、15冊目は、至って冷静だった。
悔しいな。16冊目とだけの戦いだったら、まだ何とかなっていたかもしれないが、
15冊目みたいな存在が、一番厄介で強敵なんだよな。
16冊目は、案の定、15冊目の言葉で、冷静さを取り戻し、
俺に慎重になる。
こうなれば、俺はますます不利だ。こういう状況を作り出す存在は、
敵にとっての俺からすれば、非常にピンチでもある。
戦いで大事なのは、力とか技術なんかより、実際は冷静に現状を判断し、
最適な行動が出来るかどうかだ。自分の状態や感情も踏まえてな。

「俺もここで年貢の納め時ってやつか?」

俺は少し弱気になって、そう呟いてしまう。
駄目だ。俺には、まだ帰ってやらなきゃいけないことが、沢山あるんだ。
ここで15冊目と16冊目に、易々と殺されるわけにはいかない。
それに、この戦いで勝ち、1冊目に認めて貰って、俺は自分の過去を
知る必要だってあるんだ。
2の奴の陰謀だって、絶対に阻止しなければ・・・

「12冊目・・・貴方に直接の恨みはありませんが、諦めて下さい。
俺達は俺達で、事情があるので。」
「?!」

俺は急に背後から聞こえた、15冊目に反応することが出来ず、
右腕を掴まれ、捩じ上げられた。
俺は、痛く、苦しい中で、情けなく唸るしか出来ない。
どうにか、抵抗しようと試みるが、15冊目の掴む力は、
俺が想像するよりも強い力のようだ。
15冊目は、そのまま容赦なく、俺の右腕を折った。
俺は新しい苦痛に、唸る声を更に大きくするしか出来なかった。
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