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第6章「後悔の先にあるもの」

「俺達も本気出そう。このまま、ダラダラと戦っても無駄だ。
12冊目みたいなタイプには、時間を与えすぎるのは良くないからな。」
「それは、僕も大賛成だね。で、どうする?」
「久しぶりだけど、あの番犬達を呼び出そう。あいつらなら、
俺達と違って見た目に、惑わされたりしない。
すぐに、12冊目を見つけ出して、俺達の前に連れて来れるだろう。」
「それはいいね♪久しぶりの獲物だから、あいつらも大喜びしそう♪」

15冊目と16冊目は、俺に会話が聞こえているのも、構わずに相談し合って、答えを見つけた。
俺に聞かれていても、何も問題ないと思っているのか?
馬鹿にしているな、俺を。
俺は、ちょっとだけイラっとしたが、それでも15冊目と16冊目の動向を静かに見守った。
すると、15冊目と16冊目は、お互いに、自分の能力を使い、
黒色の体格がいい犬を各自で1匹ずつ呼び出した。

「ケルとオルなら、僕達を絶対に間違えないからね。
さ!ケル!オル!僕達の偽者を駆り立てろ!」

16冊目は、明るく嬉しそうな声で、2匹の犬に命令を下す。
くそ!そう来たか!
俺は、その場に身を潜めていることが出来なくなり、いきなり焦らされることになった。
本喰人が能力として、呼び出した犬だ。普通の犬ではない。
しかも、あの犬達は、口から青白い光が出ている。

「まさか、あの有名なヘルハウンドじゃないだろうな?
だったら、厄介すぎるぞ・・・しかも2匹も・・・」

俺は嫌な予感がして、すぐに、あの2冊達と互角に戦えそうな能力を
考えるが、いい能力が思いつかない。
俺が必死に思考している最中、俺の出していた分身は、1体ずつ、
着実に、2匹の黒い犬に駆り立てられ消されている。
あの2冊達の言う通り、俺がいくら正確に、あの2冊の姿に化けようとも無駄のようだ。
2匹の黒い犬は、外見で自分の敵を判断しているのではない。

「臭いだな。流石に俺も、外見は気にしても、自身の臭いまでは
気にしてなかったなぁ・・・
ちぃ。15冊目と16冊目も、やっぱり強敵だな。」

俺は敵ながらに、15冊目と16冊目に感心してしまった。
2冊達が出した、2匹の黒い犬達は、2冊達の様に、
深い絆がある感じだった。
そして、何より2匹もいるのだから、行動が早い。
俺は、アッと言う間に、16冊目が言ったように、何も抵抗する術がないままに、
駆り立てられ、15冊目と16冊目の前に出て行かざるおえなくなった。

「12冊目、出てきましたね。」
「もうーかくれんぼは終わりだよ?」
「ちぃ。そうみたいだな。」

俺は2冊達の出した、2匹の黒い犬に嚙まれそうになるのを、
どうにか避けて、
俺が出した鏡の迷宮の中でも、広い場所に移動していた。
通路のような狭い場所に留まったら、俺が不利だ。
俺が黒い2匹の犬の攻撃を避けて続けていると、15冊目は、
突然、犬達に合図を出して、自分達の元に引き下がらせる。

「ん?何、ベリー?どうして、ケルとオルを戻すの?
そのまま、任せればいいじゃん?」
「いや。それじゃ駄目だ。今、12冊目が不利そうに見えてるだけで、
また、すぐにこいつらにも対応してしまう。俺達が一気に相手をして黙らせるべきだ。」

15冊目は、16冊目にそう教えた後で、俺に再度強い殺意を、
向けてくる。
俺は15冊目の強い殺意に嫌な脂汗が滲み出た。
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