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第6章「後悔の先にあるもの」

「やっぱり、侮れないな・・・12冊目は。」
「え?何で?」
「この鏡の迷宮さ。しかも、更に別の能力を使って、俺達を撹乱しようとしてる。」
「それって?」

俺が能力を使い、数分後、15冊目は俺の能力に気付き、16冊目に説明する。

「まず鏡の迷宮に逃げ込み、その後ですぐに、俺かお前の姿に変わって、身を隠してる。
そうすれば、俺達がお互いに傷つけ合うことを避けるから、攻撃が慎重になるとでも思ったんだろう。」
「ふーん。なるほどね。」

15冊目の説明に、16冊目は、つまらなさそうに聞いている。
15冊目は俺の能力に警戒しているようだが、16冊目は逆に、
侮っているようだ。

「12冊目ってやっぱり、弱いんじゃないの?確かに、この鏡の迷宮の完成度と、
僕達、どっちかの姿になって、僕達を撹乱しようって考えは、
戦い方として悪いってわけじゃないけどさ。
でも、僕達の仲の良さを侮らないで欲しいよね。」

16冊目は、一瞬、素早く動いたかと思うと、どういうわけか、俺が隠れていた近くに現れ、
俺が囮として出していた、分身を捕まえ、15冊目に側に戻った。
危なかった。分身を出していなかったら捕まっていたかもしれない。
俺は、嫌な冷や汗をかきながらも、必死に息を殺して、気配も消した。

「ありゃ?12冊目、本人を捕まえたつもりだったのに・・・
分身を捕まえちゃったか。」
「言っただろう?ダイス。12冊目は単純な本じゃないって。
それに最後まで、俺の話を聞け。」
「だってーいつも回りくどいんだもんーベリーの話は!」

15冊目と16冊目は、お互いの意見を言い合いし、軽く口論を始めた。

「大体、12冊目が、こんな分身まで出して、この鏡の迷宮で持久戦みたいなのを考えているなら、
いっそのこと、この鏡の迷宮ごと、ぶっ壊しちゃえばいいんじゃないの?」
「いや、それは止めた方がいい。この鏡の迷宮の能力が、はっきりと分からないからな。
変にこの能力の世界観を壊そうとして、この鏡の迷宮の世界に、
俺達が自身が閉じ込められるかもしれない。」
「うわーそういう系の能力だと、確かに面倒だねぇ。
っつかさー12冊目の戦い方って、ねちっこいね。マジうざいわ。」
「しょうがないだろう。12冊目は1冊で、俺達の相手をしなきゃいけないんだから。
12冊目は、色々な戦術とかを使って戦うのが大好きな本って言うしな。」
「うわ・・・尚更、面倒臭そうだね・・・長期戦にされると。」
「だな・・・」

15冊目と16冊目は、俺の微かな気配が分かるのか、
俺が潜んでいそうな所に、見当をつけて、その場所を、一緒になって睨んでくる。
そんな顔されても、俺だって、自分の身は可愛いんだ。必死になって、
俺が持っている能力は、惜しみなく使うさ。

「どうするのさーベリー?僕は、長期戦とか嫌だよ?」
「俺だって、12冊目と長期戦なんて嫌だよ。」

15冊目と16冊目は、真剣に悩み、俺との戦い方に、どう対応しようか悩んでいた。
その間に、俺も、次の作戦を考えなきゃならないな・・・
さて、次はどうしたらいいものか。本当は俺だって、長期戦にするべきじゃないのだが。
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