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第6章「後悔の先にあるもの」

15冊目と16冊目との戦いは、誰が何かを言うまでもなく、いきなり開始された。
15冊目と16冊目のコンビネーションは、俺が噂に聞いていたよりも、最高だった。
2冊が俺達の仲間になってくれるなら、どれだけ心強いだろうか・・・
俺がどうにかして勝てたら、俺達側の仲間になってくれるだろうか?
だが、今の俺には、そんな事をゆっくりと考えていられる余裕などなかった。
どうにかして、致命傷を避けて、2冊達の攻撃を避けるだけで、精一杯からだ。
本当に双子なのではないか?と疑いたくなるほどに、2冊の息はぴったりだ。

「12冊目って、こんなに弱いの?聞いていたよりも、全然、拍子抜けなんだけど?
さっきから、逃げてばっかりで戦う気ないみたいだしさ・・・」

16冊目は、俺から距離を取り、15冊目につまらなさそうに言う。
15冊目も、少し困った顔をしながらも、俺を睨みながら返事する。

「確かに・・・8冊目から聞いた話と、大分違うみたいだな。
元々、戦うこと自体が嫌いな性格とは聞いてはいるが・・・
それでも、こんなに弱々しい感じだとは俺も思わなった。」
「・・・・・・・」

俺は、どうやら15冊目と16冊目から、全然戦う気がないと、
勘違いされているようだ。
何も俺は、戦う気がないわけではない。まずは、2冊達の戦いの流れを観察しているのだが。
1冊目は、遠くから俺達の戦いをただ静かに見守っている。

「もうさーうざいから、さっさとこの戦いを終わらせない?
とにかく、12冊目を倒したと1冊目が認めたら、僕達の勝ちなんでしょ?」
「うーん・・・そうだな。12冊目が何かの考えが有るのか、無いのか知らないが、
時間がかかっても、良い事は無さそうだからな。」

15冊目と16冊目は、互いに意見を一致させ、更に強い殺気を俺に向けてきた。
俺は、自分なりに、今までの2冊の攻撃パターンを思考し、今の俺に出来る、
最善の能力を使う事に決めた。

「出来るのなら、この能力は2とか8冊目に使いたかったのにな。」

俺は、小声で呟いてから、15冊目と16冊目が、俺に攻撃を仕掛けてくる前に、
その能力を使った。

「非力な少女は、閉じ込められた遊園地の中で、もしもの賭けに出て、鏡の迷宮に逃げ込んだ。
薄暗いその場所で、少女はわざと犯人を誘い込んだのだ。」

俺が、その能力の本の一部を言葉に出して言うと、15冊目と16冊目が
俺の能力で出した、鏡の迷宮に誘い込まれた。
2冊達は一瞬の出来事に、驚いた声を上げ、しばらく沈黙していた。
俺は、更にもう1つの能力を使い、自分の姿を隠した。
これで、少しは時間稼ぎは出来るだろう。
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