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第6章「後悔の先にあるもの」

俺はそれなりに間があり、俺と1冊目の向こう側に立っている存在を凝視する。
どっちが、どっちかまではわからないが、向こう側に居る、
2冊達が、15冊目と16冊目で間違いないだろう。
向こうは、すでに俺と戦うのは承諾しているのか、俺と1冊目が
急に現れたにも関わらず驚いてさえいない。
やっと来たか。と言った態度で、静かに俺と1冊目を見ている。

「この場所は俺がコネを使って、人間達が来ないようにさせてある。
12冊目。お前は、今からここで15冊目と16冊目と戦え。」
「おいおい、そんなの急すぎるだろう?俺は、今日は断食して7日目で、
食事をしてないから全力なんて出し切れないぞ?」
「それは知っている。10冊目から、お前の修行の内容をサラッと教えては貰ってあるからな。」
「ちぃ。そういうことまで、下調べ済みってわけか。何か気分悪いな。」
「悪いな。だが、そうであっても、俺は12冊目、
お前が今、どんな状態なのかを、調べなければならないんだ。
過去のお前とも約束したことだからな。ある時期が来たら、
新しくなった俺を確認して欲しいってな。」
「・・・・・・」

俺は、1冊目にそう言われて、黙るしかなかった。
今の俺がした約束でなくとも、過去の俺が1冊目と約束してしまったのなら、
どうしようもないではないか。
それに、最悪な事態になることも想定してなら、過去の俺が、
1冊目に頼んだのは間違いではなさそうだ。
俺が大暴走した時に、信用出来て、しっかりと止めてくれそうなのは、1冊目だけだろうな。
2と師匠とは過去に仲間だった間柄だし、3冊目とキュアートは、
いざって時に優しさが出て駄目だろうし・・・
俺以下の数字の本喰人では、束になっても無理そうだ。
あの過去の初版本世代並みの俺になってしまったのなら、やっぱり、
1冊目くらいの力がある本喰人でなければ。

「過去の俺と約束してるなら、やるしかないか・・・」
「12冊目。悪いが、今のお前に拒否権はない。俺はお前の本質が
本当に戻ったのを見なくちゃいけないからな。」
「わかった。ここまで来たのなら、俺も腹は括るよ。
俺が15冊目と16冊目と戦えば、それが見極められると言うならな。」
「どんな状況であれ、最悪な場合になったら、俺が絶対に止める。
だから、12冊目は死ぬ気になって、あの2冊達と戦えばいい。」
「簡単に言ってくれるな、1冊目。でも了解した。」

俺は、1冊目と会話を終え、15冊目と16冊目を見据え、
どう向こうに声を掛けようか悩んだ。
すると、どちらかが、先に俺に声を掛けてきた。

「お前が12冊目なのか?」
「そうだ。俺が12冊目だ。今、俺と話しているのはどっちなんだ?」
「今、12冊目と話をしているのは、15冊目だ。
それで、隣にいるのが16冊目だ。」
「ほう。お前達はそんな外見なんだな。」

俺は、2冊達の外見を、じっくりと観察した。
向こうの2冊達も、俺が、どんな本喰人なのか、見返していた。
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