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第6章「後悔の先にあるもの」

俺の断食も7日目に入った。今日が断食修行としては最終日だ。
今の俺は、あの3日間の断食よりは、成長出来ていると、自分では思っている。
過去の自分の夢を見たりして、動揺したりして、情けない事もあったりしたが、
10冊目に出会い、あの話を出来た事は、俺の中では大きな救いだった。

「10冊目に出会って、あの話が出来なかったら、今回のこの修行は
失敗していたかもしれないな。」

俺は、今日は1日、いつもの修行場の中にある洞窟内で、
精神集中をする為の修行をしながら、ここ最近の出来事を振り返っていた。
大阪に二四達の拠点を持たせてから、本当に色々なと起こったからな。
そして、これからも問題は山積みだ。俺が修行が終われば、
話さなければならない話も、まだまだ沢山ある。
俺や四四の過去に、後は横浜に俺達を生み出した一族の生き残りがいたかもしれない話も。
結局、その話も出来ないままでいたからなぁ。

「他には、俺は3冊目に会いに行かなきゃなんだよな・・・」

俺は、過去の自分に起こった事を確認したいと、真剣に思った。
トワにも言って、一緒に3冊目のとこに行くか?
いや・・・その前に、最悪の場合は、トワは過去の俺を知ったら、
俺から離れたがる可能性も考えなければいけないな。
そうなった時は、俺はトワを引き止めたりせずに、キュアートのとこに行かせよう。
いや、四四としばらく一緒に居て貰うのもいいかもな。

「ふぅ・・・考えることが沢山あるおかげで、食事のことを
考えずに済むって言うのも、何だが皮肉めいてるな・・・」

俺は、そう独り言を言った後で、今日の朝方に師匠に言われた事を思い出した。

「十二。今日は身体を動かす修行よりも、じっと大人しくする修行の方がいいぞ?」
「どうしてですか?逆に身体を動かした方がいいのでは?」
「いや、身体を動かすよりも、空腹の時に何も出来ずに、
考えるだけしか出来ない状態の方が辛いはずだ。
今回は身体を動かせる方が、逆に気持ちが紛れるであろうからな。」
「わかりました。師匠の言葉を受けて、今日は洞窟に籠り、
精神集中の修行をします。」
「うむ。それが良いだろう。」

俺は師匠の言葉を聞き、より断食中の精神が厳しくなる方を選んだ。
自分を鍛える為にしていることだからな。
ここで、自分を甘やかすようなことをしては意味がない。
3日間の断食で、あんな醜態を晒したくらいなのだから。

「この7日間の断食の後でも、俺は何か過去の俺の夢を見たりするのかなぁ?
今なら、どんな過去の俺の夢でも、無様に動揺しないで済みそうだが・・・」

俺は目を閉じて、また考え込む。今日が無事に終われば、俺は明日は師匠と手合わせか。
それもそれで緊張するな。師匠と過去に手合わせしてから、意外にも時が経ってたもんな。
二四とゴートンと戦った事で、師匠も俺に、更に期待してそうだ。
5時間以上は師匠と戦えないとな・・・俺の方が二四やゴートンよりは兄弟子なんだから。
じゃないと、俺も流石にプライドがな。
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