第6章「後悔の先にあるもの」
あれから翌日になり、俺やトワが心配していたのを余所に、
セアは師匠と無事に仲直りが出来たようだ。
それで、師匠もセアも平穏無事になるのなら、俺や他の奴らだって、
悪い事ではないだろう。
トワも、それが嬉しいのか、四四と裏で喜び合っている。
二四や、ゴートンも、胸を撫で下し、ホッとしているようだ。
無理もないか・・・俺達の場合は、師匠の機嫌の悪さは、
直接、修行の難易度に関わってくるからなぁ・・・
機嫌が悪い時の師匠ほど、容赦なく厳しいものはない。
俺だって、出来るなら機嫌がいい師匠の方が嬉しいに決まっている。
「一時はどうなるかと思ったが、何とかなって良かったな。」
「はい。もう少しで修行に目途がつきそうなのに、六師匠が、
最後の最後で、機嫌が悪いとか最悪ですからね。」
「本当だよねぇーにっちゃん。」
俺の言葉に、二四もゴートンは、全力に頷く。こいつらは、近々、
師匠と手合わせもしなきゃいけないんだからな、尚更だわな。
「十二は、なんか大変そうだねぇ・・・」
トワは他人事なのもあって、俺達の会話を聞いて、変な同情をしている。
四四も、何か気の毒そうにしているが、そういう態度を取られる方が、俺達には辛いんだが・・・
「とにかく、師匠の前で、今はまだドイツとか禁句な?お前達も気を付けるように。」
「はーい」
俺は学校の先生にでもなった気分で、トワ達に注意し、修行に向かう準備をする。
俺が部屋で、いつもの準備をしていると、意外な事に師匠がやってきた。
「十二。少しだけ話をしていいか?」
「師匠?はい、どうぞ。」
俺は、師匠を自分の部屋に招き入れた。
「師匠、誰かに話を聞かれたくないのでしたら、部屋の鍵閉めましょうか?」
俺は師匠に、いざと言う時の用心の為に聞いてみる。だが、師匠は首を横に振った。
「いや、別にそこまでせんでよい。ちょっとした話だからな。」
「そうですか。ならいいんですが・・・」
「十二、昨日はセア殿に助言をすまんな。拙者からも、一言感謝させてくれ。」
「え?あ、そんな。俺は大したことはしてないですよ?」
「いや、お前は的確な事をセア殿に言ってくれたと、拙者は思っている。
拙者もな、よくよく考えれば、どうして、あんなにムキになってしまったのか。
あんな場所でセア殿に怒鳴るように言うのでなく、別の場所で
落ち着いて話せば良かったのだ。」
「師匠は普段から、セアには優しくしてますよ。
俺的にはセアがやりすぎた感じしますけどねぇ。
セアは・・・まぁ・・・普段からあんな性格ですからねぇ・・・
むしろ、今までよく大喧嘩しないで済んでると内心は思っていたくらいです。」
「十二は、昔からセア殿と知り合いだからな。
それに歳が近いのもあるから、そう思えるのであろう。
拙者からすれば、セア殿は娘を通り越し、孫のような歳の女性だからな、
余程の事が無い限りは、怒ったり、ましてや喧嘩しようなどとは、思わんよ。」
「流石、師匠です。」
俺は、師匠の度量の大きさに感心した。俺も、もっと師匠のように長生き出来たら、
トワをそんな目で見れるようになるのかな?
俺なんかは、まだまだトワの言葉にムッとしてしまうことあるもんな。
セアは師匠と無事に仲直りが出来たようだ。
それで、師匠もセアも平穏無事になるのなら、俺や他の奴らだって、
悪い事ではないだろう。
トワも、それが嬉しいのか、四四と裏で喜び合っている。
二四や、ゴートンも、胸を撫で下し、ホッとしているようだ。
無理もないか・・・俺達の場合は、師匠の機嫌の悪さは、
直接、修行の難易度に関わってくるからなぁ・・・
機嫌が悪い時の師匠ほど、容赦なく厳しいものはない。
俺だって、出来るなら機嫌がいい師匠の方が嬉しいに決まっている。
「一時はどうなるかと思ったが、何とかなって良かったな。」
「はい。もう少しで修行に目途がつきそうなのに、六師匠が、
最後の最後で、機嫌が悪いとか最悪ですからね。」
「本当だよねぇーにっちゃん。」
俺の言葉に、二四もゴートンは、全力に頷く。こいつらは、近々、
師匠と手合わせもしなきゃいけないんだからな、尚更だわな。
「十二は、なんか大変そうだねぇ・・・」
トワは他人事なのもあって、俺達の会話を聞いて、変な同情をしている。
四四も、何か気の毒そうにしているが、そういう態度を取られる方が、俺達には辛いんだが・・・
「とにかく、師匠の前で、今はまだドイツとか禁句な?お前達も気を付けるように。」
「はーい」
俺は学校の先生にでもなった気分で、トワ達に注意し、修行に向かう準備をする。
俺が部屋で、いつもの準備をしていると、意外な事に師匠がやってきた。
「十二。少しだけ話をしていいか?」
「師匠?はい、どうぞ。」
俺は、師匠を自分の部屋に招き入れた。
「師匠、誰かに話を聞かれたくないのでしたら、部屋の鍵閉めましょうか?」
俺は師匠に、いざと言う時の用心の為に聞いてみる。だが、師匠は首を横に振った。
「いや、別にそこまでせんでよい。ちょっとした話だからな。」
「そうですか。ならいいんですが・・・」
「十二、昨日はセア殿に助言をすまんな。拙者からも、一言感謝させてくれ。」
「え?あ、そんな。俺は大したことはしてないですよ?」
「いや、お前は的確な事をセア殿に言ってくれたと、拙者は思っている。
拙者もな、よくよく考えれば、どうして、あんなにムキになってしまったのか。
あんな場所でセア殿に怒鳴るように言うのでなく、別の場所で
落ち着いて話せば良かったのだ。」
「師匠は普段から、セアには優しくしてますよ。
俺的にはセアがやりすぎた感じしますけどねぇ。
セアは・・・まぁ・・・普段からあんな性格ですからねぇ・・・
むしろ、今までよく大喧嘩しないで済んでると内心は思っていたくらいです。」
「十二は、昔からセア殿と知り合いだからな。
それに歳が近いのもあるから、そう思えるのであろう。
拙者からすれば、セア殿は娘を通り越し、孫のような歳の女性だからな、
余程の事が無い限りは、怒ったり、ましてや喧嘩しようなどとは、思わんよ。」
「流石、師匠です。」
俺は、師匠の度量の大きさに感心した。俺も、もっと師匠のように長生き出来たら、
トワをそんな目で見れるようになるのかな?
俺なんかは、まだまだトワの言葉にムッとしてしまうことあるもんな。