第6章「後悔の先にあるもの」
「六ちゃんの馬鹿!もう!知らない!!!」
断食の4日目の朝方、俺は、セアの怒鳴り声で、目を覚ますことになった。
師匠は、困った顔のまま、ソファーに座り、横に立っているセアに、怒鳴られたままだった。
何だ?朝から、夫婦喧嘩か?まだ正式な夫婦ではないけども。
「セア殿。これは、拙者も譲れぬことなのだ。他の事で、拙者が折れるとこは折れるが、
今回ばかりは、セア殿に泣かれようが、叩かれようが、最悪、嫌われても、言う事は聞かん。」
「ずるいよ・・・六ちゃんは、私の気持ち知ってって・・・」
師匠に何やら、きっぱりと言われたセアは、シクシクと泣き出す。
一体、何があったと言うんだ?
「おい?二四、何があったんだ?」
俺は、師匠達を遠巻きに見守っている、二四とゴートンの側に寄り、事情を聞こうとした。
二四は小声で、俺に今までの経緯を話してくれた。
「いや・・・それが、最初は、私達の修行が終わったら、
デート旅行したい、とかセアさんが六師匠に言ってたんですが・・・」
「まぁ・・・セアなら、通常の会話だな。」
「はい。でも、ある国の話になったら、六師匠が不機嫌になっていきまして、
最後は、その国には絶対に行かない!と怒り出して・・・」
「へ?師匠がか?」
「はい。セアさんも、あんまりにも六師匠が意固地になって、怒るものだから、
泣き出し始めて、今は、あんな感じになりました。」
「うーん、珍しい事もあるもんだなぁ。師匠が行きたがらない国があるなんて。
で、どこの国なんだ?」
「ドイツみたいですね。」
「ドイツ・・・か。」
俺は二四の言葉を聞いて、何となく2の奴のことが頭を過った。
俺が前に過去の自分を夢で見た時に、俺と2の奴は互いを
ドイツ語の数字の読み方で呼び合っていた。
俺の予想ではあるが、もしかしたら、ドイツと2の奴は、何か関係があるんじゃないだろうか?
ドイツに今でも2がいるとか・・・
「六ちゃんのわからず屋!そんなに怒って拒否しなくても、いいじゃない!」
「セア殿。確かに言い方は、拙者が悪かったのは認める。だが、
どんなに、何を言われようとも、拙者はドイツだけには行かん!」
「何で?何で、六ちゃんは、そんなにドイツが嫌なの?」
「それは・・・今はセア殿には言えん・・・」
涙目で、師匠に理由を聞くセアだったが、師匠はセアの質問には答えなかった。
その所為で、セアは更に泣き出し、挙句の果てに、師匠に再度、
「六ちゃんの頑固者!大馬鹿!!!」
と叫んで、自分の部屋に走って帰っていってしまった。
「え?何?!」
それを光景を見た、トワと四四は、驚いた顔をして、セアの走って行く姿を見送る。
「おはようございます。何かあったんですか?」
四四はすぐに冷静な顔になって、俺達の側に来て、事情を聞いてくる。
俺は、この場で話すのはまずいと思い、別の場所に移動しようと言った。
二四もゴートンも師匠の殺気に気付いたようで、すぐに賛成してくれた。
いや、マジで、あの場で俺達が、ヒソヒソと師匠達の話をしたら、
確実に修行の時に半殺しにされかねない。
それくらい、今の師匠は黙ってはいたが、機嫌が悪いのは、雰囲気でわかった。
トワには、わからないだろうけどな。
断食の4日目の朝方、俺は、セアの怒鳴り声で、目を覚ますことになった。
師匠は、困った顔のまま、ソファーに座り、横に立っているセアに、怒鳴られたままだった。
何だ?朝から、夫婦喧嘩か?まだ正式な夫婦ではないけども。
「セア殿。これは、拙者も譲れぬことなのだ。他の事で、拙者が折れるとこは折れるが、
今回ばかりは、セア殿に泣かれようが、叩かれようが、最悪、嫌われても、言う事は聞かん。」
「ずるいよ・・・六ちゃんは、私の気持ち知ってって・・・」
師匠に何やら、きっぱりと言われたセアは、シクシクと泣き出す。
一体、何があったと言うんだ?
「おい?二四、何があったんだ?」
俺は、師匠達を遠巻きに見守っている、二四とゴートンの側に寄り、事情を聞こうとした。
二四は小声で、俺に今までの経緯を話してくれた。
「いや・・・それが、最初は、私達の修行が終わったら、
デート旅行したい、とかセアさんが六師匠に言ってたんですが・・・」
「まぁ・・・セアなら、通常の会話だな。」
「はい。でも、ある国の話になったら、六師匠が不機嫌になっていきまして、
最後は、その国には絶対に行かない!と怒り出して・・・」
「へ?師匠がか?」
「はい。セアさんも、あんまりにも六師匠が意固地になって、怒るものだから、
泣き出し始めて、今は、あんな感じになりました。」
「うーん、珍しい事もあるもんだなぁ。師匠が行きたがらない国があるなんて。
で、どこの国なんだ?」
「ドイツみたいですね。」
「ドイツ・・・か。」
俺は二四の言葉を聞いて、何となく2の奴のことが頭を過った。
俺が前に過去の自分を夢で見た時に、俺と2の奴は互いを
ドイツ語の数字の読み方で呼び合っていた。
俺の予想ではあるが、もしかしたら、ドイツと2の奴は、何か関係があるんじゃないだろうか?
ドイツに今でも2がいるとか・・・
「六ちゃんのわからず屋!そんなに怒って拒否しなくても、いいじゃない!」
「セア殿。確かに言い方は、拙者が悪かったのは認める。だが、
どんなに、何を言われようとも、拙者はドイツだけには行かん!」
「何で?何で、六ちゃんは、そんなにドイツが嫌なの?」
「それは・・・今はセア殿には言えん・・・」
涙目で、師匠に理由を聞くセアだったが、師匠はセアの質問には答えなかった。
その所為で、セアは更に泣き出し、挙句の果てに、師匠に再度、
「六ちゃんの頑固者!大馬鹿!!!」
と叫んで、自分の部屋に走って帰っていってしまった。
「え?何?!」
それを光景を見た、トワと四四は、驚いた顔をして、セアの走って行く姿を見送る。
「おはようございます。何かあったんですか?」
四四はすぐに冷静な顔になって、俺達の側に来て、事情を聞いてくる。
俺は、この場で話すのはまずいと思い、別の場所に移動しようと言った。
二四もゴートンも師匠の殺気に気付いたようで、すぐに賛成してくれた。
いや、マジで、あの場で俺達が、ヒソヒソと師匠達の話をしたら、
確実に修行の時に半殺しにされかねない。
それくらい、今の師匠は黙ってはいたが、機嫌が悪いのは、雰囲気でわかった。
トワには、わからないだろうけどな。