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第6章「後悔の先にあるもの」

「4冊目が変わっている本と言うのは、今回、四四から聞けて、大分わかったよ。」
「良かった・・・です。役に立つか、どうかですが・・・」
「そんな四四から見て、4冊目は今後、俺達の敵になりそうか?」
「うーん・・・そこもわかりません。4冊目は、何かを大事にしているかと思えば、
突然壊してしまうような危うさがある本でしたから。
小さい頃は、それが怖くて何度も泣かされましたし、六の師匠が
言うように、厄介な性格だと思います。」
「四四が、そう言うなら、これは一筋縄ではいかないな・・・」

俺は、四四の意見を聞いて、少し残念に思った。
最悪は、四四から説得して貰って、こちら側になってくれればと思ったんだが、
この調子だと、その選択は難しそうだなぁ。

「今後、必要そうな時には、4冊目の行動パターンとか、攻撃方法とかも教えてくれるか?」
「はい。必要があれば、遠慮なく言います。育ての親って事で、
恩はありますが・・・でも、4冊目が悪事を働いているのなら、
私はそんな4冊目に力を貸したくないので。」
「四四は、本当にしっかりしてるな。トワも、今後はそんな本になって欲しいわ。」
「トワちゃんだって、きっとそうなると思いますよ。十二が道を踏み外しそうになったら、
全力で止めると私は思います。」
「お、四四が、そこまで言ってくれるなら、期待出来そうだ。」

俺は、つい嬉しくなって笑ってしまった。過去の俺の様に最低な本にならない為にも、
トワの存在は、これから先の俺にはますます重要な存在になるな・・・

「四四・・・俺も、本当はお前達に言うべき過去があるんだ。」
「十二もですか?それは何ですか?」

四四は意外そうな顔で、俺を見た。俺は、今話せる範囲で、
四四に俺の過去を話そうと思った。
俺だけ、四四の過去を知っているのは不公平だもんな。

「十二が・・・過去では2冊目の親友だったんですか・・・?
信じられないです。」

俺の話に、四四は目を丸くして、そう感想を述べた。
こればかりは、俺だって、自分の事とは言っても、同じ気持ちだ。
今でも、出来るなら信じたくないくらいに。

「最低な話だろ?本当なら、早く皆に言うべきなんだがな。
でも、今は二四やゴートンの修行に悪影響を与えるのは嫌だからさ。
だから、言わないでいるんだ。ごめんな。俺こそ、最低で、
どうしようもない本だよな・・・」
「そんな・・・今の十二には、どうしようもないことじゃないですか。
過去に戻って、やり直すとかじゃなければ、無理な話ですし。」

四四は、俺の話を聞いて、自分の事のように辛そうにして、悲しんでくれた。

「四四。有難うな・・・四四が、そう言ってくれるだけでも、
今の俺には大分救われる言葉だよ。」
「十二・・・。もしも、先の話で、十二が過去のような本になりそうなら、
その時は、私もトワちゃんと一緒になって止めますから。
いいですよね?」
「ああ、その時は頼む。俺は、最悪なら、四四に殺されても、封印されてもいいから。」

俺は自分の気持ちを素直に四四に言う。
すると四四は、笑顔で、「そうなる前に必ず止めますよ!」と言ってくれた。
四四は四四で、二四やゴートンとは違う頼もしさがあるな。
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