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第6章「後悔の先にあるもの」

「最近は、ぱったりと連絡はなくなったんですが、十二と行動する前は、
定期的にありました。自分の元に帰っておいでって・・・」
「4冊目は今でも四四を諦めてない感じか?」
「そうですね・・・強制的に連れ戻す気はないみたいですが・・・
でも連絡は寄越してました。私は無視してますけど・・・けど、
私がどこに居ても、必ず決まった時期には連絡は寄越してきます。」
「凄い執念だなぁ、それは。」
「はい。そういうところが、私は苦手で・・・
普通に心配してくれてるなら、いいんですけどね。
その変に異常なとこが気持ち悪いと言うか、怖いと言うか・・・」

四四は呆れた顔をして、4冊目の話をしてくれた。
うーん・・・これは俺も四四と同じ立場になったのなら、
話を聞く限りだと、ちょっと嫌かもしれないな。
四四が、過去に何かやらかして、心配とか、そういう理由でも
なければ、とても4冊目の考えに同意出来そうにない。
と言うか、その永遠のパパになりたいって話も不可解だしな・・・
俺がトワに言ったら、絶対に頬を引っ叩かれて、キモい!って
怒鳴られるに違いない。
四四も同じくらいのことを4冊目にしてやればいいのにな。
四四は大人しい子だから無理か。

「よく俺に話してくれたな、四四。有難うな。」
「そんな・・・でも、私の事は疑わないんですか?もしかしたら、
4冊目の手先かもしれないって・・・」
「ここまで、話してくれた四四を、俺は疑わないよ。それに、
今までの四四の性格を考えるなら、もし4冊目の手先なら、
関りがあるなんて、俺に絶対に教えないと思うしな。違うか?」
「ふふ。十二は、私が思っていた本でした。だから、今夜、話せて良かった。
話さなかった所為で、変な時期に敵として疑われるのは嫌だったんです。
十二もですが、トワちゃんにも、最悪は憎まれるのは、悲しいから。」
「そっか。四四がトワにそこまで気遣ってくれてるなんてな。
俺としては、これほど嬉しいことはないよ。いつも、有難う。
どうか、これからも、仲良くしてやってくれ。」

俺は、四四に言葉に素直に感謝しながら、お礼を述べた。
トワは、いい友人が出来たようだ。俺としては、本当にこんなに
嬉しい事はない。

「トワちゃんが羨ましいです。」
「え?何でだ?」
「私も4冊目が、十二みたいでいてくれたら、側に居ても良かったのになぁーって思います。」
「再度、嫌な事を聞いてしまうが、そんなに4冊目の愛情は異常だったのか?」
「愛情と言うか・・・独特な育て方と言うか・・・今思えば、
変な本ではありましたね。
子守歌が、いわくつきの呪いの歌だの、聞けば死ぬかもしれない歌とかだったし、
遊び場として連れて行ってくれた所は、心霊スポットばっかりだったし、
見せてくれる映画はホラー系ばっかりで、家に有った本も、怖い話とか・・・
とにかく、そんな感じの本ですよ。」
「あーそりゃー変わってるわ・・・」

俺は、四四から、その話を聞いて、まともではないと確信した。
自分の趣味を大全開に押し付けにくるタイプだな、こりゃ。
これでは、四四が、霊とかに詳しくなるのもわかるし、全然、
怖がらないで、度胸があるのも納得できると言うものだ。
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