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第6章「後悔の先にあるもの」

「それで、どんな話なんだ?」

俺は、態度を改めて、四四の話をしっかり聞こうと、背筋を伸ばした。
四四は、少し、もじもじしながらも、俺に話を始めた。

「私は、最初は4冊目の眷属でした。」
「ま、マジか・・・?」
「はい。私は4冊目に子供の頃は普通に育てて貰いました。
あ、普通と言っていいのか悩むところですが・・・
でも、酷い扱いを受けたわけでもなくて、その4冊目の愛情と言うか・・・
そういうのが、独特で・・・私的には苦手なところもあったんですが。」
「ほうほう。4冊目の眷属の扱いは独特なのか・・・」

俺は、四四の話を聞いて、関心を持った。独特な育て方とは一体?

「4冊目は、4が死とも示す様に、「死」と言うものに、凄く関心がある本でした。
私が、今までのこうした能力を身につけたのも、4冊目に教わり、
指導されたのもあります。」
「へぇ・・・そうだったのか。」
「はい。」
「でも、今の感じだと、四四は4冊目と連絡を取り合ってるような様子はないよな?」

俺は、気になる事を四四に聞いてみた。

「はい。私は自分が44冊目になった時に、自分から4冊目の元を離れました。」
「何でだ?やっぱり、後から4冊目に何か酷い事をされたのか?
でなければ、上巻の側に居た方が、安全なはずだぞ?」
「普通は・・・そうなんでしょうけど・・・」

俺の質問に、四四は顔を少し赤くして、また、もじもじとする。
何やら恥ずかしがっているようだが・・・何故?

「4冊目の考えに、ついていけなくて・・・その・・・」
「4冊目の考え?なんだそりゃ?」
「彼は・・・私の永遠のパパになりたいとか言い出して・・・」
「へ?」

俺は、四四の言葉を聞いて、ポカーンとしてしまった。
永遠のパパになりたいって・・・どういう意味だ?

「やっぱり、そういう反応になりますよね・・・
私も、4冊目の考えがよくわからないです。今でも。
だから、怖くなって・・・だから、4冊目の元から逃げたんです。
はっきり言って、気持ち悪い部分もあったし・・・
育ての親としては、悪いわけではなかったんですけどね・・・」
「何とも言えない、複雑な事情が、四四にはあったんだな。」

俺は、四四に意味も分からずに同情してしまった。
師匠が、4冊目も、厄介な性格って言ってたからなぁ・・・
厄介って、そういう意味でのだったのか?

「四四、少し話が変わってしまうが、聞きたい事があるんだが、
いいか?」
「何でしょうか?」
「4冊目は、2冊目と関わっている感じはあったか?」
「どうでしょうか・・・私が4冊目の側に居た頃は、
4冊目は極力、他の本喰人に会う事はしてませんでした。
私の陰で、連絡は取り合っていたかもしれませんが・・・」
「そうか・・・」

俺は、四四から2の奴と4冊目の関係性が分かるかと期待したが駄目だったようだ。

「四四から、4冊目を避けてはいるようだが、4冊目は四四に連絡を寄越したりしないのか?」

俺は四四にこの質問をすると、四四は露骨に嫌な顔をする。
これは・・・連絡が来たりしてたのか?
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