このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第6章「後悔の先にあるもの」

「2冊目・・・あいつ、12冊目を覚醒させようとしたのか!!」
「落ち着きなさい。」
「ですが!もし、そうなら最悪の事態になりかけたんですよ?!」

俺は、3冊目と、誰かが話している声で目が覚めた。
いや、正確には夢の中でと言うべきか。
俺は3冊目と誰が会話しているのか気になり、顔を少し横にしてみるが、
3冊目の身体の一部が見えただけで、相手が誰かはわからなかった。

「こんな酷い方法を仕掛けてくるとは、私も想像していませんでした。
あの本なら、もっといくらでも、他のやり方があったはず。なのに、あの方法を、
選ぶと言う事は、2冊目は、やっぱり過去の12冊目が好きだったのでしょうね。」
「そりゃ、そうでしょう。互いに悪事の限りを尽くした、大親友なんですから。
でも、その割には、残酷なことしますね。」
「2冊目は、どうにかして、過去の12冊目に戻って欲しかったのでしょうね。
だから、わざとあんな方法で覚醒させようとした。私はそう考えます。」
「ならば、2冊目の考えは合ってましたね。12冊目は、過去の頃のような凶暴さを目覚めさせ、
19冊目、20冊目をあっさり殺害し、最後には18冊目を、
残虐に殺そうとするところだったんですから。」

3冊目と話している相手は、忌々しそうに、俺の事を言っている。
そして、顔はわからないのに、俺を睨んでいる視線だけは、
ベッドに寝ている俺も感じた。
俺は、どうも身体をかなり痛めているらしく、身動きが上手に取れない状態だった。

「確かに、12冊目は、過去の様な狂暴さは見せました。けど、
それは、あんなに大好きだった36冊目を、18冊目に残酷に、
殺されたからこその、怒りだったのだと思いますよ。
それに、もう過去の12冊目の様な本に、今の12冊目はなれはしません。」
「どうしてですか?何で、そんな事が言えるのですか?」
「「彼女」と言う存在が、彼を本来の12冊目の「本質」に戻したからです。
過去の12冊目も、それを理解したからこそ、2冊目の計画を手伝うのを止め、
2冊目の行動を止めさせようとさえしたのですから。」
「そ、そんなことが?!!」

3冊目と話している相手は、3冊目の言葉にかなり驚き、
動揺しているような声だった。
と、言うか、俺も同じくらいに動揺している。
どういうことなのだ?俺は、もう過去の12冊目の様にならない?
だから、今は2の奴のことも、こんなに嫌いになったと言う事か?
それに、「彼女」と言う存在も気になるし、俺の本喰人としての、
「本質」とやらも気になる。
俺は、1冊目や3冊目達に、戦いで負けた後に、
すぐに死んだわけではなかったのか・・・
その「彼女」とやらの、存在に出会った事が、過去の俺の何かを、
著しく変えたみたいだな。
一体、どんな存在だったんだ・・・大親友だった2の奴の計画の手伝いまで止めて、
更には、2の計画を止めさせようとまでさせるなんて。
只者じゃないのは確かだな。
11/60ページ
スキ