このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第6章「後悔の先にあるもの」

俺の注意が効いたのか、トワはちゃんと大人しく一定の話が
終わるまでは、俺の話を聞いた。
話の途中で質問したそうな顔は、何度もしてたけどな・・・
ま、ここまで我慢したのは偉い。最近は、そういう面でも、成長していると思っていいかもな。

「十二、質問いいですか?」
「ん?四四どうした?何が聞きたい?」
「その私達、本喰人を生み出したかもしれない、人間の一族は滅んだと、
六の師匠は考えているんですよね?」
「ああ、師匠はそう思っているようだ。でも、どうしてだ?
四四の方で異論でもあるのか?」
「異論と言いますか、実は日本に、その一族に近いような人間が
いたんじゃないかと言う、話を聞いて事があって・・・」
「何?!それは本当か!四四?!」
「大分前ですよ?100年以上前になるかと。」
「何年前だっていいさ、その一族繋がりそうな事なら!日本のどこら辺で聞いたんだ?」
「横浜です。」
「横浜か・・・」

俺は四四にその場所を聞いて、少し悩んだ。この話は、師匠にも話した方がいいな。

「四四、その話は一旦止めよう。師匠にも聞かせたい話だし、今はそれでいいか?」
「わかりました。では、後で、またお話しますね。」
「うん。悪いが一旦そうしてくれ。後、他に聞きたい事はないか?」
「そうですね・・・十二や二四にゴートンもなんですが、誰も、
4冊目や7冊目には会った事はないんですよね?」
「今の俺は会った事がないな。転生前はわからないが・・・」
「私も、今の自分の時に、両本には会った記憶がありませんね。」
「僕も、十二先輩や二四と同じだよ。」
「皆さん、そんな感じなんですね・・・」

四四は、少し考え込む様子で、黙った。四四にしては、意味深な行動をするなぁ。

「どうしたんだ?四四?何かあるのか?」
「あ、いえ。ただ、確認したかっただけです。誰か会っていたら、
今の外見とか、性格とかそういう情報が欲しいと思って。」
「そうだよね。昔の外見のままなら、六師匠が、大雑把には教えてくれたけど。」

ゴートンは四四の言葉を聞いて、うんうんと頷く。

「いずれは・・・4冊目にも、7冊目にも、誰かしらが会うことになると思うぞ。
味方になるか、敵になるかは、その時じゃないとわからないけどな。」
「ですね・・・」

四四は、少し暗い顔で俺の言葉に答える。
何だ?なんか、4冊目か、7冊目に思うところがありそうだな。
もしかして、四四は、どちらかの本と会ってるんじゃないのか?
俺は、そう思ったが、今は無理に四四から聞き出すのは止めた。
俺だって、自分の過去で話してないこともあるからな・・・
四四だけを責めるようには聞けない。
俺達は、その後は、お互いに聞きたい事を聞いて、トワも、
待ってました!とばかりに質問しまくる。
トワからすれば、知らない事ばかりで、気になることが沢山あるのだろう。
上巻クラスの奴の話なんか、俺も全然してやれなかったからな。
丁度いい機会だったから、この際に知れることは、教えてやろう。
9/60ページ
スキ