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第6章「後悔の先にあるもの」

今日の俺達は、初版本世代の話だけのつもりで話をしていたが、
思いの外、時間が過ぎてしまった。
俺も、余計は事は師匠に聞かないようにしようと思ってはいたものの、
4冊目や7冊目の事などは、ほとんど何も知らなかったので、
つい二四達と一緒になって聞いてしまった。

「4冊目と7冊目か・・・また、敵なのか、味方なのか、
曖昧なのが出て来たなぁ・・・」

俺は一旦、自分の部屋に戻り、ベッドに寝そべった。
今日は、こんなに頭に新しい情報を詰め込んだ状態での修行は、
俺や二四やゴートンも、注意力が散漫しそうで嫌だったが、運よく、
師匠も今日の修行には、乗り気じゃなく、今日は、修行は止めると言う事になった。
俺は断食だけは続けてはいるが。

「師匠からすれば、過去を思い出すと、思い出せない部分の
過去の事で、気が散るんだろうな。
そんな時に、師匠と手合わせしたらと思うと、俺も怖いわ。」

それこそ、師匠だって、2の奴と仲間だった時の何かヤバい性格が今になって出たら、
どうなるのか、俺ですら想像出来ない。

「あの師匠が、過去にはどんな本だったんだろうか・・・
18の奴みたいに、戦闘狂だったのかな?2の奴と親友ってことは、
何か考えが一緒なところがあると言うか、そういうのがあったわけだよな。」

俺は師匠の過去の事を自分なり考えてみるが、やっぱり何も思いつかなかった。
あの夢で見たいにしか、俺は過去の事を知る事はないのか・・・
不便だな・・・自分の事でもあるのに。

「十二先輩。さっきの部屋に、今度はトワちゃんや四四を呼んで、
待って貰ってますが、大丈夫ですか?」

俺の部屋のドアを叩いて、二四が俺を呼びに来た。
俺は、今度はトワ達にも初版本世代の話を聞かせようと、さっき使っていた部屋を、
再度使う事にした。
師匠の方は、師匠の方で、セアに自分から聞かせるらしい。

「今からトワに聞かせる時は、骨が折れそうだなぁ・・・
好奇心旺盛なだから、絶対に、あれこれ聞こうとしそうだしな。」

俺は、ぶつぶつと小言を言いながら、二四と一緒に、トワ達の待つ部屋に向かった。
案の定、トワは、ワクワクとした顔をしながら座って待っていたが、
逆に四四は、少し暗い顔になっていた。
どうしたんだ?何か、四四にとって、都合が悪い話でもあるのか?
俺は、少し心配にはなったが、変に聞くのは止めた。
四四の事だから、余計な心配はかえって、迷惑だろうからな。

「じゃあ、俺から初版本世代の話をするけど、いいな?」
「うん!」
「トワ。質問するなとは言わないけど、ある程度の話が終わるまでは、話を止めたりするなよ?」
「そ、そんなのトワだって、わかってるもん!」

俺の忠告に、トワが少しだけ怒る。それを見た、四四は少しだけ笑顔に戻った。
トワが居てくれれば、四四も少しは気持ちが違うかな?
俺は、何となく、そう思った。
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