このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

第6章「後悔の先にあるもの」

「7冊目か・・・拙者から言わせてもらえば、軽薄な本だな。
礼儀とか、そうしたものを嫌い、ラッキー7の7の本だからと、
そんな理由で賭博などが、大の大好きな本だ。」
「うへぇー?!そんな本なんですね?!」

ゴートンは、師匠の答えを聞いて、変な声を出している。

「それに、ゴートン。お前と通じるものがある、本でもあるな。」
「え?僕にですか?!」

ゴートンは急に師匠に、自分と通じるものがあると言われ、少し困った顔をした。

「うむ。日頃から少し不真面目な態度なとこや、女好きであるなどは、
似ていると言っても良い。
だから、最初は、拙者もお前には7冊目の様になって欲しくなくて、言動には厳しく言ったのだ。」
「それがあったから、六師匠は、厳しかったんですね・・・」

ゴートンは、最初の頃に、師匠に厳しく言葉遣いや態度を怒られたことを思い出し、
しみじみとした感じになっていた。
酷い時は、師匠に泣かされてたもんな・・・ゴートン。

「7冊目は、私達の味方なんでしょうか?」

二四は、師匠にそう尋ねる。二四に聞かれ、師匠はまた苦い顔をした。

「あいつも、あいつで、個性のある本だからな。拙者にもわからん。
ただ、2冊目のような悪い野心はないと言っていいだろう。
どちらかと言えば、勝てそうな側に、最後はつくだけであろうな。」
「なんか、それもそれで、ずるい感じですね。」
「仕方があるまい。7冊目とはそんな本だとしか、拙者も言えん。」
「ですが、師匠。7冊目が、もし2冊目側についても、
最後は2冊目に殺されるだけなんじゃないですか?」

俺は自分で思いついたことを師匠に聞いてみた。

「7冊目は、とにかく口が達者だ。それに、1冊目並みに、
自由奔放なところもある。
いざと言う時は、2冊目から、逃げ切れると、思っている部分も
あると思うぞ?2冊目側につく時は、そうした準備を確実にしてから、つくだろうな。」
「そうですか・・・」

俺は、初めて師匠に7冊目の事を詳しく聞き、覚えておこうと思った。
思えば、俺も、4冊目や7冊目の事は、詳しくは知らないんだよな。
3冊目も、話してくれたことがなかったし。
それから、二四とゴートンは、師匠から、5冊目の話を聞いたり、
初版本世代と暮らしていたと言う、特殊な力を持っていた、
人間の一族の話も聞かされた。

「僕達は、そんな人間達から、生まれたんだ・・・」
「凄く気になりますね。過去に、それだけの力を持っていた人間達が存在していたなんて。」
「でも、現在では、その一族は、存在してないって事ですよね?
だって、僕達みたいな新しい本喰人はいないもの・・・」
「拙者も、はっきりとした年代は言えないが、その一族が、
生み出せた本喰人は50冊までと聞いている。
50冊まで生み出した後に、初版本世代で激しい戦いが起きたのだ。
その際に、その戦いに巻き込まれ、一族はすべて滅んだようだ。」

師匠は、俺達にそう話した。つまりは、俺の予想だが、2冊目側の本達が、
生みの親にあたる一族を滅ぼしたんだろうな。
2の奴は、本喰人を減らしたがっていたんだから、新しい本喰人が生まれ続けたら困るはずだ。
7/60ページ
スキ