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第1章「下巻の奴等」

次の日の午後1時くらいに、俺達の元に、50冊目から、不気味なDMが届く。
トワは、俺にすぐにDMを見せて、確認させる。俺も自分の目でしっかりと見た。

「コンニチワ、
レンラクガアッテDMシマシタ、12冊目ト
ハナシガシタイノデ
ワタシト会ッテクダサイ
ナナ時間後ニ、芝道公園デオマチシテマス。」

と、書かれていた。明らかに怪しいすぎる。悪戯にしても、悪質だ。
会いたいと言う時間も時間も、人目を避けている為としか思えない。
あの公園は夜になると、本当に場所によっては真っ暗な所もあり、
最悪、戦いになっても、都合がいいだろう。

「うーん。こんな露骨なDMってあるのね。」
「ん?何の事だ、トワ?」

俺はトワに何かあるのかと聞く。すると、トワは文章の頭文字を、指差して俺に言う。

「見てよ、十二!コレハワナ・・・これは罠って読めるでしょ?」
「あ、確かにそう読めるな。」
「こんな、今どきの子供だって、わかるような仕掛けを、
この文章に入れてくるって・・・逆に怪しくない?」
「うーん・・・確かに怪しいな。」

俺はトワの指摘に納得する。忠告なのか、挑発なのか・・・。
確かにこれではわかりにくい。
普通は忠告と取るべきなんだろうが、トワが気づくほどの仕掛けを、
もし敵もわかった上でしてるのなら、これは挑発だろう。
しかも、50冊目の状況が未だにわからない。

「あのチャラ本が、敵に脅されてDMしてるなら、忠告してくれているんだろうけどさ・・・
それでも、怪しいものは怪しいし・・・困ったね・・・十二。」
「そうだな。だけど、罠だとわかっていても、俺は行くしかないだろうな。」
「え?!何で!行くの?!」

俺の答えにトワは、驚いて、俺を見ながら椅子から立ち上がる。

「どうして、罠だとわかっているのに行くの?!あの50冊目を助けるつもりなの?」

トワは心配した顔になって、俺の側に来て、俺の胸を叩く。
俺は苦笑いして、トワに対応する。

「おい、叩くなよな。仕方がないだろう。50冊目を助ける気はないさ。
だけど、このまま、今回のDMを無視しても、敵は余計に躍起になって、
俺に何かしてくるかもしれない。それなら、敵が変に警戒する前に、
俺からも行動した方がいい。」
「で、でも、もし十二に何かあったら・・・」

トワは、今度はまた泣きそうな顔になる。全く、少しは俺の実力を
信じて欲しいんだがな。

「安心しろ、トワ。俺はそんなヤワな本じゃないさ。トワの何十倍も生きてるんだぞ?」
「そうだけど・・・」
「逃げ足には自信もある。それに最悪は戦いになっても、俺には奥の手がある。」
「奥の手?」
「ああ、トワにも言えないけどな。」
「むー何それ!!」

トワは、泣きそうな顔はしつつも、俺にムッとする。心配してるのに、
俺がこんな態度だから、怒ったようだ。
トワもまだまだ子供だなと俺は少し笑った。

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