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第6章「後悔の先にあるもの」

俺が、二四達の拠点に帰ってきた時には、他の皆は、各自の部屋で、
寝てしまったようだった。
それもそのはずだ。俺が帰ってきたのは、深夜の3時近くになっていたのだから。
俺は、自分が想像していたよりも、10冊目と話し込んでいたようだ。

「流石に、トワも寝たよな?」

俺は、なるべく物音を立てないようにして、自分の部屋に戻った。
すると・・・

「おいおい・・・マジかよ・・・」

俺は、自分のベッドにトワが寝ていて、呆れることになった。
きっと俺を心配して、俺の部屋で待っているうちに、寝てしまったのだろう。

「全く・・・困った、俺の眷属だなぁ・・・一応は、俺は主なんだぞ?
その主のベッドに、堂々と寝るなんて、きっとトワくらいじゃないか?ふふ。」

俺は、トワの寝顔を見て、つい笑ってしまった。図々しいことを、俺はされているのに、
嫌な気分がしないのは、やっぱりトワだからなんだろうな。
俺は、静かにトワの側に近寄り、トワの頭を撫でた。

「今の俺には、トワがいるが・・・過去の俺には眷属はいなかったのだろうか?
けど、仮にいたとしても、酷い扱いをしてそうだなぁ・・・
なんせ、2の奴の親友だったくらいの俺だからな・・・」

俺は自分にしか聞こえないくらいの小声で、呟いた。
トワは、スヤスヤと気持ちよさそうな顔をして寝ているから、
俺の声で起きることもないだろう。

「本喰人が劇的に減る事で出現する、ある本か・・・
その本を手に入れる為に、2の奴は長年、本喰人同士の争いを起こしていたのか?
にしたって、その本に、一体何があるって言うんだ・・・」

俺は、1人呟きながら、トワの頭を静かに撫でて、考え込む。
2の奴が欲しがるくらいの本なのだから、相当の力がある本だろう。

「何にしても、ヤバそうな本であることに間違いはないよな。
それを、悪い意味でもヤバそうな2の奴が持ったら、
冗談抜きで、世界が滅びそうだぜ。」

俺は自分の考えに、自分で何故だか納得してしまった。
あの2の奴と楽し気に会話をするあの夢を見てから、2の奴なら、
こう考えるだろうな、みたいなことが俺の中に出てくるようなって、
俺は嫌な気分になりながらも、今後の戦いには有利になるかもしれないと思い我慢した。

「俺からすれば、悪夢だけど、もっと2の奴と、計画について話してる夢でも、
見れればいいんだけどな・・・そうしたら、今の2の奴の
計画を止めれるかもしれないのに・・・うまい具合にはいかないなぁ・・・」

過去の俺はどこまで、2の奴に賛同していたのだろうか・・・
あの夢で見た時は、計画の全貌が分かってなさげだったが、
あの後で、過去の俺は、ちゃんと知ったのか?
2の奴と親友だとか、良き片腕だとか、言うが、2の奴が、
そんな過去の俺にも、計画のすべてを話してない気がする・・・
2の奴は、過去でも現在でも、曲者な本に変わりはないと、
俺は何故だか勝手に決めつけていた。
そして、考え事をしているうちに、俺も眠気誘われて、
気づけば寝てしまっていた。
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