第6章「後悔の先にあるもの」
10冊目と長い会話の後で、俺は10冊目とサキの関係も確認しようと思い、聞いてみた。
「プライベートな質問になってしまうんだが、10冊目は、サキの事を愛しているのか?」
俺の質問に、今まであんなに落ち着いていた10冊目も、
少しだけ顔を赤くし、気まずそうにして、人差し指で自身の頬を掻いた。
「それを、今聞きますか?」
「あ、いや。言いたくないならいいんだ。ただ、何かの目的があって、
サキを利用しているだけのなら、止めて欲しかっただけなんだ。」
「なるほど。そういうことでしたか。なら、その心配はありません。
彼女と出会いは、純粋に自分の個人での事です。
誰かに何かを言われたとか、何かの目的で近づいたとか、
そうしたのは一切ないので安心して下さい。」
「そうか、なら良かったよ。サキは俺にとっては、
人間では数少ない恩人でもあるからさ。悲しい思いだけはさせたくなかったんだ。」
「なら、大丈夫ですよ。自分も、サキに悲しい思いをさせるつもりはないので。」
「悪かったな。余計な事を聞いて。」
「いいえ。今までの12冊目の、あの状態では、色々と疑ってもしょうがないと思います。
3冊目も、かなり心配してましたから。12冊目が暴走したりしないかとね。」
「されても、しょうがないな・・・過去の俺はマジで最低最悪な
屑本だったみたいだしな・・・
18の奴よりも上をいくような・・・」
俺は、今頃になって、過去の自分にショックを感じ始めた。
と言うか・・・いつかは、トワや二四達にも正直に話すべきだよな。
過去の俺の事を・・・軽蔑されそうで怖いが、これは過去の俺のしたことなのだから、
しょうがない。変に隠しておいて、8冊目や2の奴の口から、
俺の過去がバレる方が、俺は断然、嫌だしな。
「12冊目・・・自分の言葉なんて、何の慰めにならないとは思いますが。
でも、今の自分をただただ責めるのだけはしないで下さいね?
初版本世代の貴方は確かに酷い存在だったかもしれない。
でも、今の貴方は新しい12冊目なんです。だから、悪い意味で、
過去に縛られる必要はないですよ。」
「うん。10冊目の言う通りだな。有難うな、気を遣ってくれて。」
「いいえ。自分としては、今の12冊目が、自分と同じ側の本に
なってくれそうなので嬉しいです。」
「俺も、10冊目が、今後は、良き仲間になってくれそうで嬉しいよ。」
俺は、10冊目とお互い笑顔で言葉を交わした。
「あ、ですが、12冊目。6冊目だけには言ってもいいですが、
自分と会ったことは、他の本喰人達には、今はまだ内緒にしておいて貰えませんか?」
「ん?何でだ?何か不都合があるのか?」
「ちょっとした事情が自分にありまして。今はまだ自分の存在は
隠しておきたいんです。申し訳ないんですが。」
「いや、それなら、俺は黙っておくさ。まだ、その時じゃないんだろ?」
「物分かりが良くて助かります。その時が来た時には、自分から、挨拶に伺いますので。」
「わかった。その時を楽しみにしてるよ。」
俺は、10冊目とやっと会話が終わり、車で二四達の拠点に帰った。
今後、また話がある時は、6冊目を通じて俺に連絡をくれると言う事で、
俺達はBarの前で別れた。
「プライベートな質問になってしまうんだが、10冊目は、サキの事を愛しているのか?」
俺の質問に、今まであんなに落ち着いていた10冊目も、
少しだけ顔を赤くし、気まずそうにして、人差し指で自身の頬を掻いた。
「それを、今聞きますか?」
「あ、いや。言いたくないならいいんだ。ただ、何かの目的があって、
サキを利用しているだけのなら、止めて欲しかっただけなんだ。」
「なるほど。そういうことでしたか。なら、その心配はありません。
彼女と出会いは、純粋に自分の個人での事です。
誰かに何かを言われたとか、何かの目的で近づいたとか、
そうしたのは一切ないので安心して下さい。」
「そうか、なら良かったよ。サキは俺にとっては、
人間では数少ない恩人でもあるからさ。悲しい思いだけはさせたくなかったんだ。」
「なら、大丈夫ですよ。自分も、サキに悲しい思いをさせるつもりはないので。」
「悪かったな。余計な事を聞いて。」
「いいえ。今までの12冊目の、あの状態では、色々と疑ってもしょうがないと思います。
3冊目も、かなり心配してましたから。12冊目が暴走したりしないかとね。」
「されても、しょうがないな・・・過去の俺はマジで最低最悪な
屑本だったみたいだしな・・・
18の奴よりも上をいくような・・・」
俺は、今頃になって、過去の自分にショックを感じ始めた。
と言うか・・・いつかは、トワや二四達にも正直に話すべきだよな。
過去の俺の事を・・・軽蔑されそうで怖いが、これは過去の俺のしたことなのだから、
しょうがない。変に隠しておいて、8冊目や2の奴の口から、
俺の過去がバレる方が、俺は断然、嫌だしな。
「12冊目・・・自分の言葉なんて、何の慰めにならないとは思いますが。
でも、今の自分をただただ責めるのだけはしないで下さいね?
初版本世代の貴方は確かに酷い存在だったかもしれない。
でも、今の貴方は新しい12冊目なんです。だから、悪い意味で、
過去に縛られる必要はないですよ。」
「うん。10冊目の言う通りだな。有難うな、気を遣ってくれて。」
「いいえ。自分としては、今の12冊目が、自分と同じ側の本に
なってくれそうなので嬉しいです。」
「俺も、10冊目が、今後は、良き仲間になってくれそうで嬉しいよ。」
俺は、10冊目とお互い笑顔で言葉を交わした。
「あ、ですが、12冊目。6冊目だけには言ってもいいですが、
自分と会ったことは、他の本喰人達には、今はまだ内緒にしておいて貰えませんか?」
「ん?何でだ?何か不都合があるのか?」
「ちょっとした事情が自分にありまして。今はまだ自分の存在は
隠しておきたいんです。申し訳ないんですが。」
「いや、それなら、俺は黙っておくさ。まだ、その時じゃないんだろ?」
「物分かりが良くて助かります。その時が来た時には、自分から、挨拶に伺いますので。」
「わかった。その時を楽しみにしてるよ。」
俺は、10冊目とやっと会話が終わり、車で二四達の拠点に帰った。
今後、また話がある時は、6冊目を通じて俺に連絡をくれると言う事で、
俺達はBarの前で別れた。