第5章「見え隠れする本質」

「9冊目の事はわかった。じゃあ、6冊目についてはどうなんだ?」

俺は今度は師匠の事を10冊目に聞いてみた。
すると、10冊目の表情が曇る。何か言いづらそうな雰囲気に、
俺は不安になる。
まさか・・・師匠は敵側だとでも言うのか?
なら、10冊目の敵と言う事にでもなるではないか・・・

「6冊目については、説明が少し難しいですね・・・」
「説明が難しいとは、どういうことだ?まさか、師匠は2冊目側の本だったと言うのか?」
「過去はそうでした。12冊目、貴方と同じように、6冊目も、2冊目とは親友だったらしいですよ。」
「な、なんだって?!」

俺は10冊目の話を聞いて、つい大声を上げてしまった。
信じられない。師匠も、あの2の奴と親友だって?
師匠だって、俺と同じか、いやそれ以上に2の事を嫌っているはずだが・・・

「それは本当なのか?10冊目?」
「間違いありません。この話は1冊目から聞いてます。
初版本世代で、過去の戦いの時に、2冊目側に居た本は、4冊目、
6冊目、12冊目と聞いてます。」
「ま・・・まじかよ・・・」

俺は、一気に冷や汗が出る感じがした。まさか、師匠までもが、
過去は2の奴の仲間だなんて・・・

「でも、待ってくれ。なら、今の師匠は何で2の奴が嫌いなんだ?
俺には、とても演技して嫌っているようには見えないんだが・・・
それに、10冊目とも、師匠は友なんだろう?」
「はい、自分は6冊目とは友だと思っています。」
「なら、10冊目的には、今の師匠をどう思ってるんだ?」

俺は少し困惑気味に10冊目に質問してしまった。
10冊目は困った顔をしながらも、俺に何とか話を続ける。

「今の6冊目は、間違いなく1、3冊目側の本になってくれたと
思っていいと自分は思ってます。
自分も、1冊目から聞いた話なので、詳しくは言えませんが、
過去の12冊目が敗北した後で、6冊目も2冊目側に協力するのを止めたらしいのです。
その経緯は、自分はよく知らないのですが・・・」
「師匠にも何かあったわけか・・・」
「みたいです。ですが、6冊目は12冊目のように転生してません。
どういう心境の変化で2冊目の仲間になるのを止めたのかは、
1冊目に聞いて貰うしかないですね。
6冊目本人からも何か聞ければ、本当はいいのですが・・・」
「10冊目から、何か、その辺の話を師匠に聞いたことはないのか?」
「聞こうとしたことはあるのはあるのですが・・・」
「聞こうとしたことはあったのか?」
「はい。ですが、その話になると、彼は記憶が思い出せないらしいのです。
2冊目側に協力していたであろう頃の記憶が一切ないと・・・。」
「え?記憶がないだって?」
「のようです。過去の初版本世代の本喰人達と暮らしていた記憶などは、
ちゃんとあるようなのですが・・・初版本世代の本喰人達の戦いになると、
記憶が曖昧になると、6冊目本人が一番辛そうに話をしてました。」
「うーん・・・それは、もしかして、誰かに記憶を消されたか操作されたと言う事か?」
「そうかもしれませんね。だから、自分も6冊目については、
説明が難しかったんです。」

10冊目は、俺にそう答えた。確かにそれは説明が難しいかもしれないな。
俺みたいに転生して記憶がなくなったのとは違うもんな。
一体、誰が何の目的で、師匠の記憶をいじったんだ?
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