第5章「見え隠れする本質」
「1冊目側としては、俺の存在は危険だったはずなのにな。
どうして、今まで、こんな簡単な監視くらいで済ませてくれたんだろうな?」
俺は疑問に思った事を10冊目に聞いてみた。10冊目も困った顔をしながら、
3冊目から聞いたと言う話を俺に言う。
「3冊目が言うには、12冊目は、もうあんな初版本世代の頃のような本には、
ならないだろうと言う確証があったようです。
自分は、それだけしか聞いてないので、詳しい事は、3冊目本人から聞かれるしかないかと。」
「そうなのか・・・3冊目・・・やっぱり、近いうちに会うしかないな。こうなったら。」
俺は、ますます3冊目と早く会う必要性があると感じた。
後は、出来るのなら、1冊目とも会ってみたいところだが、
1冊目は5冊目以上に会うのが難しい本らしいからな。
師匠と同じく、自由奔放で、神出鬼没な本と聞いている。
自分の姿にもこだわりがないようで、今の1冊目の姿を
知る本もいないのではないかと言われているくらいだ。
「と言う事は、10冊目が俺にこうして話しかけて来たのは、3冊目の指示ってことだよな?
そしたら、3冊目と10冊目は連絡が取り合える仲だと思っていいわけだよな?」
「ええ。連絡は取り合えます。現在、3冊目は、今もギリシャに居ますよ。
多少、住む場所とか、生活スタイルは変わったかもしれませんが、
何かを育てるのが好きと言うのは変わってませんよ。」
「そうか・・・そこんとこは、昔と変わらずなんだなぁ。」
俺は、それを聞いて、少しだけ嬉しい気持ちになってしまった。
今の俺からすれば、実家が何も変わらずに、平和で穏やかであることに、
安堵している人間と同じ感覚だろう。
18との嫌な思い出はあると言っても、その逆に、13冊目達や、
大事な親友の36冊目との、大切な思い出もある。
俺にとっては、大事な思い出の地、故郷と言っていい。
「10冊目。お前なら、わかるわけだよな?誰が2冊側の本で、
誰が1冊目と3冊目側の本なのか、はっきりと?」
俺は、一番聞きたかった事を10冊目に確認する。
10冊目は、静かに、だけど力強く俺に頷いてみせた。
俺が知りたかった答えがこんな形で、早く知れることに、
俺は何か見えない大きな力に引き寄せられてる感じがした。
そんな風に思うことなんて、無いと思っていたが・・・
今日は流石に、それを感じずにはいられない。
まるで、時が満ちるのを待って、今日、こうして、10冊目と
会話しているだと、思わされる。
運命なんて陳腐な言葉を言いたくはないが、今日の俺なら、
認めてしまうだろうな・・・
俺は、10冊目と、まだまだ長い会話をすることになった。
Barの外は、かなり騒がしいはずなのに、俺と10冊目が居る、
この個室は、信じられないほど、静かに感じた。
どうして、今まで、こんな簡単な監視くらいで済ませてくれたんだろうな?」
俺は疑問に思った事を10冊目に聞いてみた。10冊目も困った顔をしながら、
3冊目から聞いたと言う話を俺に言う。
「3冊目が言うには、12冊目は、もうあんな初版本世代の頃のような本には、
ならないだろうと言う確証があったようです。
自分は、それだけしか聞いてないので、詳しい事は、3冊目本人から聞かれるしかないかと。」
「そうなのか・・・3冊目・・・やっぱり、近いうちに会うしかないな。こうなったら。」
俺は、ますます3冊目と早く会う必要性があると感じた。
後は、出来るのなら、1冊目とも会ってみたいところだが、
1冊目は5冊目以上に会うのが難しい本らしいからな。
師匠と同じく、自由奔放で、神出鬼没な本と聞いている。
自分の姿にもこだわりがないようで、今の1冊目の姿を
知る本もいないのではないかと言われているくらいだ。
「と言う事は、10冊目が俺にこうして話しかけて来たのは、3冊目の指示ってことだよな?
そしたら、3冊目と10冊目は連絡が取り合える仲だと思っていいわけだよな?」
「ええ。連絡は取り合えます。現在、3冊目は、今もギリシャに居ますよ。
多少、住む場所とか、生活スタイルは変わったかもしれませんが、
何かを育てるのが好きと言うのは変わってませんよ。」
「そうか・・・そこんとこは、昔と変わらずなんだなぁ。」
俺は、それを聞いて、少しだけ嬉しい気持ちになってしまった。
今の俺からすれば、実家が何も変わらずに、平和で穏やかであることに、
安堵している人間と同じ感覚だろう。
18との嫌な思い出はあると言っても、その逆に、13冊目達や、
大事な親友の36冊目との、大切な思い出もある。
俺にとっては、大事な思い出の地、故郷と言っていい。
「10冊目。お前なら、わかるわけだよな?誰が2冊側の本で、
誰が1冊目と3冊目側の本なのか、はっきりと?」
俺は、一番聞きたかった事を10冊目に確認する。
10冊目は、静かに、だけど力強く俺に頷いてみせた。
俺が知りたかった答えがこんな形で、早く知れることに、
俺は何か見えない大きな力に引き寄せられてる感じがした。
そんな風に思うことなんて、無いと思っていたが・・・
今日は流石に、それを感じずにはいられない。
まるで、時が満ちるのを待って、今日、こうして、10冊目と
会話しているだと、思わされる。
運命なんて陳腐な言葉を言いたくはないが、今日の俺なら、
認めてしまうだろうな・・・
俺は、10冊目と、まだまだ長い会話をすることになった。
Barの外は、かなり騒がしいはずなのに、俺と10冊目が居る、
この個室は、信じられないほど、静かに感じた。