第1章「下巻の奴等」
あの日に50冊目が現れてから、2,3日は過ぎた。
だが、あれから50冊目が姿を現すことはなかったのが、
俺には、どうも嫌な予感がしてならなかった。
「あのチャラ本、毎日来そうな感じだったのに、意外に来なかったね。」
「そうだな・・・逆に不安要素になったけどな・・・」
トワは、50冊目が現れないことを、特に気にしてる様子はなかった。
俺も、気にしないつもりでいたかったのだが、逆に何も無さ過ぎたのが、
かえって不安であった。
最低でも、連絡先くらい聞いておけば良かったかと思ったが・・・。
「十二、どうしたの?」
「いや、あいつの連絡先くらいでも聞けば良かったか、と思ってな。」
「なら、わかるかもしれないよ?」
「へ?」
トワの返事に俺は、キョトンとした。トワは、いつものパソコンで、
何やら調べて、俺にあるページを見せた。
「ほら!あのチャラ本さ、ブルプラで配信者してるみたいだよ?」
「は、配信者だぁ?」
俺は驚きつつも、トワが見せてくれたページを見てみる。
ブルードプラネットと言う、配信サイトで、50冊目は、配信者をしていたらしい。
名前もゴートンと名乗っており、今は日本に居るはずだが、
海外から配信してる風に装っていた。他の本喰人の目を誤魔化す為の工作かもしれない。
こいつはこいつなりに、知恵を使っていたようだ。
「トワと言い、こいつと言い、いまどきの本喰人は、何か凄いな。」
「そう?十二の考えが古本過ぎるんじゃないの?」
トワが俺の心を抉るような事をサラっと言う。
さっきまでは、久しぶりに俺に子供の様に甘えていた癖に・・・。
俺はそう思ったが、黙ったままでいた。今はトワとそんな事で
喧嘩になってる場合ではない。
「で、こいつと連絡は取れそうなのか?」
俺はトワに聞く。すると、トワはまたパソコンを操作し始める。
「うーんとねー・・・あ、あった!ササヤキやってるみたいだから、
そこからDM送れば、連絡取れるかも!」
「ササヤキ?」
俺はトワから、また新しい単語を聞いて、困惑した。
最近の若者の流行りは、俺にはさっぱりわからん。
今度、トワに馬鹿にされないようにする為にも、こっそり調べておくか。
「と、とりあえず、そのDMとやらが送れるか、試してみてくれ。」
「わかった!やってみるね!」
トワは、俺の指示に従って、50冊目にDMを送ってみた。
「送ってみたけど、すぐに返事はこないかも?とりあえず、私はまだパソコンで
作業あるから、返事がきたら、すぐに十二に教えるね?」
「ああ、頼む。俺は別の仕事してくるから。」
「うん!了解♪」
トワは、そう言って、少し嬉しそうな顔をしながら、またパソコンで何やら始め出した。
俺に少しでも役立てられたと思ったのが、嬉しいのだろう。
こういう可愛いところがあるから、俺はトワに愛着が出てしまったのかもしれない。
だが、あれから50冊目が姿を現すことはなかったのが、
俺には、どうも嫌な予感がしてならなかった。
「あのチャラ本、毎日来そうな感じだったのに、意外に来なかったね。」
「そうだな・・・逆に不安要素になったけどな・・・」
トワは、50冊目が現れないことを、特に気にしてる様子はなかった。
俺も、気にしないつもりでいたかったのだが、逆に何も無さ過ぎたのが、
かえって不安であった。
最低でも、連絡先くらい聞いておけば良かったかと思ったが・・・。
「十二、どうしたの?」
「いや、あいつの連絡先くらいでも聞けば良かったか、と思ってな。」
「なら、わかるかもしれないよ?」
「へ?」
トワの返事に俺は、キョトンとした。トワは、いつものパソコンで、
何やら調べて、俺にあるページを見せた。
「ほら!あのチャラ本さ、ブルプラで配信者してるみたいだよ?」
「は、配信者だぁ?」
俺は驚きつつも、トワが見せてくれたページを見てみる。
ブルードプラネットと言う、配信サイトで、50冊目は、配信者をしていたらしい。
名前もゴートンと名乗っており、今は日本に居るはずだが、
海外から配信してる風に装っていた。他の本喰人の目を誤魔化す為の工作かもしれない。
こいつはこいつなりに、知恵を使っていたようだ。
「トワと言い、こいつと言い、いまどきの本喰人は、何か凄いな。」
「そう?十二の考えが古本過ぎるんじゃないの?」
トワが俺の心を抉るような事をサラっと言う。
さっきまでは、久しぶりに俺に子供の様に甘えていた癖に・・・。
俺はそう思ったが、黙ったままでいた。今はトワとそんな事で
喧嘩になってる場合ではない。
「で、こいつと連絡は取れそうなのか?」
俺はトワに聞く。すると、トワはまたパソコンを操作し始める。
「うーんとねー・・・あ、あった!ササヤキやってるみたいだから、
そこからDM送れば、連絡取れるかも!」
「ササヤキ?」
俺はトワから、また新しい単語を聞いて、困惑した。
最近の若者の流行りは、俺にはさっぱりわからん。
今度、トワに馬鹿にされないようにする為にも、こっそり調べておくか。
「と、とりあえず、そのDMとやらが送れるか、試してみてくれ。」
「わかった!やってみるね!」
トワは、俺の指示に従って、50冊目にDMを送ってみた。
「送ってみたけど、すぐに返事はこないかも?とりあえず、私はまだパソコンで
作業あるから、返事がきたら、すぐに十二に教えるね?」
「ああ、頼む。俺は別の仕事してくるから。」
「うん!了解♪」
トワは、そう言って、少し嬉しそうな顔をしながら、またパソコンで何やら始め出した。
俺に少しでも役立てられたと思ったのが、嬉しいのだろう。
こういう可愛いところがあるから、俺はトワに愛着が出てしまったのかもしれない。