第5章「見え隠れする本質」
「初版本世代。それは、自分達、本喰人の先祖と言うか、
言葉の通り、最初にこの世に生まれた世代だね。ある特殊な力を持った人間の一族によって、
生み出された、最初の世代。初版本世代は、今の時代の本喰人にはない、
相当な強い力を、それぞれが持っていたらしい。」
「そんな世代が、存在していたのか・・・知らなかった。」
「初版本世代の事を詳しく覚えている本喰人は、もう今では、ごく少数だろうからね。
1から5冊目くらいしか、詳しくは知らないんじゃないかな?
その上巻達から、話を聞く機会が無ければ、その他の現代の本喰人が知ることはないと思う。
それだけ、情報が伝わる前に、中、下巻の本喰人は、何度も転生してるからね。」
「なるほどな・・・その点は、俺も納得出来そうだ。」
俺は10冊目の話を聞き、頷いた。10冊目は、引き続き話を続ける。
「初版本世代は、自分達を生み出した人間の一族と、静かに、長年暮らしてはいたらしいけど、
ある時代になって、急にお互いが、殺し合う程に激しく争うようになったらしい。
その原因は、自分も知らないけど、最終的に、初版本世代は2つの勢力に分かれて、
激闘を繰り返すことになったって話だ。」
「2つの勢力に分かれて・・・争うか・・・」
「その中で、2冊目を中心にした勢力は、かなり酷かったらしくてね。
今の2冊目にも通じるものがあるけど、手段の為なら、何をするのも容赦しなかったらしいよ。
同じ本喰人を、残酷な殺し方するのも平気だったらしいし、
無関係な人間達を、自分達の戦いに巻き込むのも、何とも思っていなかったらしい。」
「うわぁ・・・そんな過去の時代から、2の奴はそんな本だったのかよ・・・」
俺は10冊目の話を聞いて、嫌悪感で吐き気がする思いだった。
だが、そんな俺を見て、10冊目は少し冷たい目になる。
「けど、そんな2冊目と同じくらい最低で、凶暴で、2冊目の親友であり、
良き片腕だった存在の本喰人がいるんだ・・・。」
「・・・」
俺は、10冊目の言葉を聞き、何が言いたいか、わかった。
だが、俺は黙ったまま、話を聞くことにした。
「その本喰人は、2冊目以上に本喰人同士の戦闘を好み、敵になった本喰人とは、
徹底的に戦った後で、残酷に共喰いも平気でしたらしい。
自分の暇つぶしの為だけに、残虐非道の限りの尽くしたって話だよ。」
「へぇ・・・それで、その2の奴並みに、最低最悪のその本喰人は、
その後はどうなったんだ?」
俺は、10冊目の目をしっかりと見て、その本喰人の最後を聞いた。
これは、かなり重要な事だ。俺にとって。
「1と3、それから複数の本喰人達によって、戦いに敗れたらしい。
それから、どうなったかは、自分も詳しくは知らないが、
その本喰人を失った、2冊目側の勢力は、一気に力を無くしたらしく、
初版本世代の戦いは、その戦いのおかげで、一時的には収まったと聞いてる。
で、今の今まで、2冊側は長い時代を沈黙していたけど、
また現代になって、2冊目側が動き出したわけだよ。」
「そうか・・・」
俺は、知りたかった、「過去の自分の最後」を聞けて、少し黙ってしまった。
初版本世代の頃の俺は、2の奴の事を言えない程に、最低最悪な本だったらしいな・・・
俺は、かなりショッキングな事実を知ったはずなのに、
気持ちは、何故だか変に落ち着いていた。
言葉の通り、最初にこの世に生まれた世代だね。ある特殊な力を持った人間の一族によって、
生み出された、最初の世代。初版本世代は、今の時代の本喰人にはない、
相当な強い力を、それぞれが持っていたらしい。」
「そんな世代が、存在していたのか・・・知らなかった。」
「初版本世代の事を詳しく覚えている本喰人は、もう今では、ごく少数だろうからね。
1から5冊目くらいしか、詳しくは知らないんじゃないかな?
その上巻達から、話を聞く機会が無ければ、その他の現代の本喰人が知ることはないと思う。
それだけ、情報が伝わる前に、中、下巻の本喰人は、何度も転生してるからね。」
「なるほどな・・・その点は、俺も納得出来そうだ。」
俺は10冊目の話を聞き、頷いた。10冊目は、引き続き話を続ける。
「初版本世代は、自分達を生み出した人間の一族と、静かに、長年暮らしてはいたらしいけど、
ある時代になって、急にお互いが、殺し合う程に激しく争うようになったらしい。
その原因は、自分も知らないけど、最終的に、初版本世代は2つの勢力に分かれて、
激闘を繰り返すことになったって話だ。」
「2つの勢力に分かれて・・・争うか・・・」
「その中で、2冊目を中心にした勢力は、かなり酷かったらしくてね。
今の2冊目にも通じるものがあるけど、手段の為なら、何をするのも容赦しなかったらしいよ。
同じ本喰人を、残酷な殺し方するのも平気だったらしいし、
無関係な人間達を、自分達の戦いに巻き込むのも、何とも思っていなかったらしい。」
「うわぁ・・・そんな過去の時代から、2の奴はそんな本だったのかよ・・・」
俺は10冊目の話を聞いて、嫌悪感で吐き気がする思いだった。
だが、そんな俺を見て、10冊目は少し冷たい目になる。
「けど、そんな2冊目と同じくらい最低で、凶暴で、2冊目の親友であり、
良き片腕だった存在の本喰人がいるんだ・・・。」
「・・・」
俺は、10冊目の言葉を聞き、何が言いたいか、わかった。
だが、俺は黙ったまま、話を聞くことにした。
「その本喰人は、2冊目以上に本喰人同士の戦闘を好み、敵になった本喰人とは、
徹底的に戦った後で、残酷に共喰いも平気でしたらしい。
自分の暇つぶしの為だけに、残虐非道の限りの尽くしたって話だよ。」
「へぇ・・・それで、その2の奴並みに、最低最悪のその本喰人は、
その後はどうなったんだ?」
俺は、10冊目の目をしっかりと見て、その本喰人の最後を聞いた。
これは、かなり重要な事だ。俺にとって。
「1と3、それから複数の本喰人達によって、戦いに敗れたらしい。
それから、どうなったかは、自分も詳しくは知らないが、
その本喰人を失った、2冊目側の勢力は、一気に力を無くしたらしく、
初版本世代の戦いは、その戦いのおかげで、一時的には収まったと聞いてる。
で、今の今まで、2冊側は長い時代を沈黙していたけど、
また現代になって、2冊目側が動き出したわけだよ。」
「そうか・・・」
俺は、知りたかった、「過去の自分の最後」を聞けて、少し黙ってしまった。
初版本世代の頃の俺は、2の奴の事を言えない程に、最低最悪な本だったらしいな・・・
俺は、かなりショッキングな事実を知ったはずなのに、
気持ちは、何故だか変に落ち着いていた。