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第5章「見え隠れする本質」

「十二・・・食欲が戻ったみたいで良かったね!」
「え?あ・・・そうだな・・・」

あの夢の後で、散々考え事をした俺だが、早急に行動するのは止めて、
とりあえず、いつもの様に、トワと朝食を喰べていた。
昨日は、ろくに喰べていないのもあり、俺は自分が思っていたよりも、
大量の食事をしていたことに気付いた。しかも、気持ち悪くならないで済んでいる。

「良かった♪朝から、いっぱい喰べられるみたいで安心したよ♪」

トワは無邪気な笑顔で俺を見て、安心した顔をした。
俺もトワにつられて、少し笑ってしまった。

「ああ、昨日は心配かけてごめんな。こんだけ、喰べれれば、
すぐに元気になるさ。」
「うん♪あ、でも、中年太りとかやめてよ?私、太った十二とか、見たくないからね?」
「今日の朝に、これくらい喰べただけで、激太りするわけないだろうが・・・」

俺は、トワの言葉に呆れて見せた。すると、トワはクスクスと楽しそうに笑う。

「そっか♪まぁ十二は、普段は小食だもんね。だから、今日くらいは、
いっぱい喰べたらいいよ♪」
「そうだな。体調が悪い時は、俺もしっかり喰うさ。」

どうやら、俺は今後の事を考えるあまりに、過去の悪夢を、
再び克服出来たようだ。皮肉な話だが。
そうだよな。トラウマに苦しんでる場合じゃなくなってしまったからな。
今後の事を考えるなら、俺はしっかりしなければならないんだ。
自分とトワを守る為にも。

「ところでさ、十二の予定では、いつに向こうにまた行くの?」
「そうだなぁ・・・本当はすぐにでもと、思ったんだが、
こっちでやりたい事で少し出来たから、明後日くらいに
帰る予定にしようと思うんだが、トワは嫌か?」
「私は別に何にも嫌じゃないよ!ただ、四四ちゃんとかに、
連絡だけしてあげたいかなーと思ってさ。」
「そうか。なら、明後日に向こうに、また行くようにしよう。」
「わかった!じゃあ、私から、そう連絡しとくね♪」
「うん、頼んだ。」

俺はトワに連絡を頼んでおいた。こんな時は、やっぱりトワの存在は便利だな。
トワから、いつもの様に、連絡が行くなら、師匠も変に疑うとかもしないだろうしな。
さて、俺は今日はまずは拠点の守りの変更と強化をしなければ。
後、移動手段も増やしたいな・・・車とバイクを増やすか・・・
それから、貸倉庫を借りて、いざと言う時の食事を、そこにも置こう。
したいことが、思っていたより出来たなぁ・・・
でも、これをトワに変に勘ぐられないようにしなければなんだよな。
トワが気づいてしまったら意味がない。
絶対に騒ぐだろうしなぁ・・・何でこんな事してるの?って。
それで、四四とかに相談されたら、俺の苦労が無駄になってしまう可能性がある。
うーん・・・そういう時は、トワの存在は面倒臭いかもな・・・
トワの勘の良さが仇になるとはな・・・
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