第5章「見え隠れする本質」
「よぅ!まだ、俺だけかここに来たのは?」
「ああ、お前だけだぞ。」
俺は、夢の中で、どこかの国の古城に居た。そこで、ある本喰人に気軽に挨拶をし、
適当な場所に座ると、その本喰人と親しげに話す。
「初版本世代の下巻の奴達は、今回でかなり消えたな。後、5冊もいないだろうと思うぜ?
そっちの方はどんな感じなんだ?」
「私の方は、中巻の半分以上は消した。お前を除いてな?」
「ふっ。俺に対する悪いジョークか?お前が言うと笑えねぇーっつの。」
「なんだ?少しは笑ってくれると思ったのに。残念だ。」
俺としゃべっていた、その本喰人は、読んでいた本を閉じ、
俺を見て、笑った。
女と見間違うほどの美しい顔立ちの男の本喰人だった。
青みのある銀色の長髪に、左が水色、右が琥珀色のオッドアイの
外見は20代後半の感じの本喰人であった。
「それにしても、いつも時間に一番ルーズなお前が、今日は、一番早いとは意外だな。」
「いや、別に今日はたまたまだ。嫌な噂を聞いたからな。
早く、伝えた方がいいかと思って。」
「嫌な噂?なんだ?」
「他の本喰人の奴らが、俺達の計画を邪魔しようとしてるらしい。
特に、1と3あたりがな。」
「そうだろうな。」
「なんだよ?気づいていたのか?」
「いや、きっと、いつかはそうなるだろうと予測はしていた。
私がやろうとすることと、反対の事をするだろうとな?」
「隣接する数字の本喰人は、極端な関係にしかなれないって言うアレでか?」
「そうだ。そして、見ての通り、私は1と3とは、かなり仲が悪い。
なら、してくることはわかるだろう?」
「邪魔するわな。お前の事、大嫌いだろうからな。」
「ふふ。そういうことだ。けど、構わない。私達の計画には、
障害があった方が楽しいだろ?」
「まぁな。じゃないと、戦う理由が出来ないしな。それじゃあ、
暇つぶしにもならない。」
「お前なら、その方が好都合だと思ったよ。」
俺は、その本喰人と楽し気に笑い合う。これは本当に俺なのか?
まるで、別人だ。
俺は、誰かと戦うなんて好きじゃないはずなのに・・・
もしかして、これは別の誰かの記憶を夢に見ているのか?
いや、見させられている?
「私達なら、1と3に他の本喰人が組んでも、問題はないだろう。
どのみち、本喰人同士が争い、数が減らない限り、私達の計画は進まない。」
「らしいな。俺は、よくわからないが・・・
けど、俺は親友のお前の手伝いをするだけさ。ツヴァイ。」
「ふふ。有難うな。ツヴェルフ。」
俺はこのやり取りを聞いて、背筋が凍った。
ツヴァイはドイツ語の2の読み方だ。
そして、ツヴァルフは・・・12・・・。
つまりこれは、俺には記憶が全然ないが、俺の過去の記憶だと言う事なのか?
しかし、俺は2の奴と親友だったなんて、記憶は全然ないぞ?
どういうことなんだ・・・俺は、夢の中で混乱する自分がいた。
「ああ、お前だけだぞ。」
俺は、夢の中で、どこかの国の古城に居た。そこで、ある本喰人に気軽に挨拶をし、
適当な場所に座ると、その本喰人と親しげに話す。
「初版本世代の下巻の奴達は、今回でかなり消えたな。後、5冊もいないだろうと思うぜ?
そっちの方はどんな感じなんだ?」
「私の方は、中巻の半分以上は消した。お前を除いてな?」
「ふっ。俺に対する悪いジョークか?お前が言うと笑えねぇーっつの。」
「なんだ?少しは笑ってくれると思ったのに。残念だ。」
俺としゃべっていた、その本喰人は、読んでいた本を閉じ、
俺を見て、笑った。
女と見間違うほどの美しい顔立ちの男の本喰人だった。
青みのある銀色の長髪に、左が水色、右が琥珀色のオッドアイの
外見は20代後半の感じの本喰人であった。
「それにしても、いつも時間に一番ルーズなお前が、今日は、一番早いとは意外だな。」
「いや、別に今日はたまたまだ。嫌な噂を聞いたからな。
早く、伝えた方がいいかと思って。」
「嫌な噂?なんだ?」
「他の本喰人の奴らが、俺達の計画を邪魔しようとしてるらしい。
特に、1と3あたりがな。」
「そうだろうな。」
「なんだよ?気づいていたのか?」
「いや、きっと、いつかはそうなるだろうと予測はしていた。
私がやろうとすることと、反対の事をするだろうとな?」
「隣接する数字の本喰人は、極端な関係にしかなれないって言うアレでか?」
「そうだ。そして、見ての通り、私は1と3とは、かなり仲が悪い。
なら、してくることはわかるだろう?」
「邪魔するわな。お前の事、大嫌いだろうからな。」
「ふふ。そういうことだ。けど、構わない。私達の計画には、
障害があった方が楽しいだろ?」
「まぁな。じゃないと、戦う理由が出来ないしな。それじゃあ、
暇つぶしにもならない。」
「お前なら、その方が好都合だと思ったよ。」
俺は、その本喰人と楽し気に笑い合う。これは本当に俺なのか?
まるで、別人だ。
俺は、誰かと戦うなんて好きじゃないはずなのに・・・
もしかして、これは別の誰かの記憶を夢に見ているのか?
いや、見させられている?
「私達なら、1と3に他の本喰人が組んでも、問題はないだろう。
どのみち、本喰人同士が争い、数が減らない限り、私達の計画は進まない。」
「らしいな。俺は、よくわからないが・・・
けど、俺は親友のお前の手伝いをするだけさ。ツヴァイ。」
「ふふ。有難うな。ツヴェルフ。」
俺はこのやり取りを聞いて、背筋が凍った。
ツヴァイはドイツ語の2の読み方だ。
そして、ツヴァルフは・・・12・・・。
つまりこれは、俺には記憶が全然ないが、俺の過去の記憶だと言う事なのか?
しかし、俺は2の奴と親友だったなんて、記憶は全然ないぞ?
どういうことなんだ・・・俺は、夢の中で混乱する自分がいた。