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第5章「見え隠れする本質」

「トワの所為で、帰るのが、予定よりかなり遅くなったなぁ・・・」
「酷い!十二だって、結構楽しんでた癖に!!」
「ははは、嘘だよ。俺も楽しかった。」
「もう!十二の馬鹿!私をからかって!」

俺達は、賑やかな感じで、久しぶりの我が家に帰ってきた。
東京駅から、家に帰ってくる途中で、警戒をしたが、特に異変を感じることがなかったので、
俺は安堵した。
拠点も誰かに侵入されたとか、そういうのはなかったようで良かった。
まぁ、しかし、拠点を攻められるって言うのは、かなり本喰人同士の戦いが、
過激化しなければ、滅多にない事ではあるんだけどな。
けど、こちら側は、8冊目の眷属達を全部消してしまったわけだから、
一応は心配にはなったんだが・・・けど、あの8冊目が、
自分の眷属達の為に躍起になるわけないか。
仇をとってやろうなんて、思う本じゃないよな。

「にしても、トワが東京駅で、あの店見たいだの、この店に行きたいだのと、
あそこまで言うとは俺も思わなかったぞ?」
「だって、東京駅の中に色々なお店があるのは、前から知ってたから、
いつか東京駅に行ったら、絶対に寄りたいと思ったんだもん!」
「トワみたいな若い本にしたら、興味があるものばっかりだったわけか・・・」
「そんな事を言うけど、十二だって、興味有り気に見てたじゃん!」
「そりゃ・・・東京駅の中があんなに変わってるとは、流石に俺も思わなかったからな。」

俺はトワと東京駅内を巡った事を思い出し、感心しっぱなしだったのを思い出した。
まずは、駅弁のコーナーがいっぱいあったことだ。
俺達、本喰人は普通の食事は食べないが、それでも、食欲がそそられそうな、
彩も綺麗で、美味しいそうな駅弁がいっぱいあった。
珍しい地方のモノあったし、期間限定や、値段が張るものまで、
沢山の種類があることに、俺は感動しそうにさえなった。
トワは、スイーツコーナーで、あれ可愛い!の連呼で、凄かったな。
確かに、トワの言う通り、可愛い感じのデザインが多かった。
そして、東京駅限定販売と書かれてある、スイーツの売り場も凄かった。
やっぱり、人間は、そういう限定ものが好きな奴は多いよな。
夫婦、カップルから、女の友達同士などが、楽しそうに、
限定のものを指さしては楽しそうに買い物していた。
他にも、食べ物以外に、雑貨などもあり、俺も結局、トワに
連れられ、楽しんで見てしまった。
おかげで、俺は久しぶりに見た、あの悪夢を思い出さずに済んだので、
本当はトワに感謝すべきなのだが、素直に感謝出来ずだった。
でも、俺は今日ほど、内心ではトワの存在に感謝せずにはいられなかった。
俺、1冊では、あんな東京駅内を巡るなんてしなかっただろう。
駅は、ただ電車を乗り降りする場所くらいしか、思わなかっただろうしな。
師匠ではないけど、若い本の新しい発想と言うのは、俺にも大事だ。
二四やゴートンといるのも、そういう刺激があって、俺的には良かったのかもな。
とにかく、トワのおかげで、俺はかなりの気分転換が出来たことは間違いがない。
いつか・・・感謝の言葉でも言うか・・・今は恥ずかしいから
無理だけどな。
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