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第5章「見え隠れする本質」

俺は無事に、師匠から帰宅の承諾を得て、ついでに、
セアからも、何とも言えない頼み事をされ、
それから、四四と引き続き、話をしていた。

「俺達は一旦、東京の方に帰るんだが、四四はどうする?」
「私は、まだここに留まろうと思います。次回に十二達が帰る時には、一緒に帰ろうかと。」
「そうか。なら、いいんだ。」
「お気遣い有難うございます。十二。」
「いやいや、そんな気にすることはないさ。まだ、2の奴とかの
動きが心配だから、言っただけだからな。
もし帰るなら、一緒に行動した方が安全だと思ってな。」
「そうですね。8冊目の動き以降は、何も無いですからね。
私も、なんだか、逆に不安になります。」
「だよな・・・俺もだ。」

俺と四四が、少し真剣に話をしていると、トワは、急に四四に抱きつく。
この不穏になりそうな雰囲気を壊そうとするように。

「大丈夫だよ!四四ちゃん!私と十二も、またすぐにこっちに帰ってくるつもりだし!
前に話した東京でのお土産も買ってくるから!楽しみにしてて♪」
「ふふふ、トワちゃんったら♪楽しみにしてるね!」
「えへへ!任せておいて♪」

トワと四四の方も、すっかりと仲良しになったようだ。
こんなにもトワが四四に懐くとは思わなかったな。
ま、四四がトワに対して、大人の対応をしてくれているから
トワも居心地がいいのだろう。
俺は、四四に変に負担をかけてないかだけ、心配ではあるが、
四四の性格からして、トワが迷惑をかける存在なら、
きっぱりと、トワ本人に言うだろうけどな。
今の所、俺が見る限りでは、2冊達の仲は良さげだから、四四に、必要以上な
迷惑はかかってないと思って大丈夫そうだな。うん。

「よし、じゃートワ。俺達もそろそろ帰るぞ。準備したか?」
「うん!私はもう準備出来てるよ!」

トワは、嬉しそうな笑顔で、俺に返事する。俺達は、二四達に見送られながら、
新幹線を使って、自分達の本拠地に帰った。

「トワ。静かにしろ。全く・・・」
「だって、初めての新幹線だから、嬉しくて・・・」
「外見は成長したのに、中身はまだまだ子供だな。」
「むぅ・・・しょうがないじゃん・・・初めてなんだもん。」

トワは、初めての新幹線に少し興奮気味だった。
可愛い声を出しながら、スマホで、写真を撮りまくりである。
俺は、少し恥ずかしかったので、トワに文句を言ってしまったが、
この時点で、少しはいい気分転換になっていた。
考えたら、俺も最近の新幹線に全然乗っていなかったなぁ。
つい、車の方が便利だと思って、車にしてたが、今日みたいに、
少しだるい時に、長時間の運転は、俺もしんどい。
だから、今回は新幹線にして良かった。その間は気軽に寝れるし。
あ、いつか、トワと寝台特急に乗るのもいいかもしれないな。
過去にトワに、なんかその手の動画を見せられたんだよな。
これが、電車の中なんだよ?!凄くない!と、興奮気味に
見せられたことあったもんな。
俺も何も電車が嫌いではないから、電車での旅も今後考えていくか。
そしたら、トワもまた喜びそうだ。
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